常陽リビング
Joyoliving News : 2022年06月17日掲載

若者と保護犬、ともに 社会への再出発をサポート

NPO法人 キドックス 上山琴美さん

保護犬のトレーニングや譲渡活動を通して不登校やひきこもりなどに悩む若者たちの自立支援を行う「認定NPO法人 キドックス」は、2011年に活動を始めてから現在までに250人以上の若者と関わり、60頭以上の保護犬にトレーニングを積んで譲渡につなげてきた。今や人と動物の共生モデルとなった活動には、創業者であり代表理事を務める上山琴美さん(36)の一貫した思いが反映されている。

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NPO法人 キドックス 上山琴美さん


つくばみらい市(旧谷和原村)で生まれ育った。
幼いころから大の犬好きで、ノートに保護犬シェルターの図面をしたため夢を描いていた幼少期を経て中学時代には愛犬の死を経験しシェルターへの思いを一層強くした。

時を同じくして小学校時代の親友が中学で非行に走る姿を目の当たりにし「彼女に何かできることはなかったのか」と思い悩んだ。愛犬の死と友人の急転―。

そんな中、たまたま見ていたテレビで紹介されていたのが、受刑者の若者が飼い主に放棄された犬をトレーニングして新しい家族に譲渡する米国の更生プログラム「プロジェクトプーチ」。



「これだ!と思いました。この活動を日本に取り入れることができれば、友人のように問題を抱えてしまった人も大好きな犬も両方幸せになる活動ができる。自分の進むべき道が開けた気がしました」


家から最寄りの県立伊奈高校へ進学。
校内成績は上位だったものの国立大学への進学は厳しい状況だったが「近くに心理学を学べる大学がある。絶対に入りたい」と筑波大学を志望校に。

教師を驚かせたが、その熱意が通じて早朝や放課後にマンツーマンで補習。「受験の半年前からは毎日10時間以上」という猛勉強の末、筑波大学人間学群に現役で合格。着実に夢への第一歩を踏み出した。

学生時代には更生施設やアニマルシェルターでのボランティアを通して活動に向けた理解と学びを深め、卒業後はいわゆる「箱物経営」を習得しようと大手エンターテインメント企業に就職。

その2年後に退職してアルバイトをしながらNPO法人の設立準備を始めた。
コネクションもつながりもない中でとっかかりを求め、動物保護団体や中間支援団体の元を訪ねて施設の方向性を模索しながら、「今起きている社会問題の構造」を学び、社会福祉士やキャリアコンサルタント、動物介在療法に関する国際学会(ISAAT)認定ライセンス(麻布大学)などを取得。

2011年に子どもたちに向けた犬との触れ合いイベントから事業をスタートした。
2013年には念願だった「プロジェクトプーチ」の研修を米マクラーレン少年院で受講。
そのプログラムを日本に持ち込み、土浦市に施設を構えて「ドッグプログラム」を開始。

2018年には、若者の就労の場作りと保護犬の譲渡促進のための「保護犬と出会えるカフェ・キドックスカフェ」をつくば市吉瀬に開設し、22年4月にはつくば市下広岡にドッグシェルターや保護犬カフェ、ドッグランなどを集約した「ヒューマンアニマルコミュニティセンターキドックス」をオープン。

7人のスタッフと13頭の保護犬、17〜39才の18人の通所者が日々活動をともにしている。



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カフェ内には一頭一頭の “犬生”アルバムが。
生い立ちや保護した過程、性格や付き合い方が細かく書かれている。


「多くの人との出会いと協力で、思いをかたちにすることができました。ここで生活している保護犬は元野犬や捨て犬で人との関わりを勉強、再構築中。社会性を身に付ける勉強中なので、カフェにご来店いただく方もトレーニングの一端を担っていただくことになります。今後は地域や社会全体で若者や保護犬をはじめとした社会問題に取り組む土壌づくりの拠点として成長させたい」

上山さんの挑戦はまだ続いていく上山さんの挑戦はまだ続いていく―。

活動の詳細はこちら



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