土浦市乙戸の閑静な住宅街にあるブルーベリー農園「くぬぎ野ふぁーむ」は、観光農園の枠にとどまらず障害者の就労活動や園児などの摘み取り体験の場として開放するなど、地域とともに歩む持続可能な農業を目指して展開。
近隣住民が中心の「お手伝いクラブ」は農作業をすると摘み取ったブルーベリーを一部持ち帰ることができる仕組みで、現在70人以上が登録。各自の都合に合わせて農園に訪れ、草取りや収穫、選別の作業を行っている。
「自然に癒やされたくて参加する方が多いです」と話す農園主の野本篤志さんは大手製薬会社で研究開発に携わっていたが、母親ががんを患ったことがきっかけで15年前に退職。
さまざまな本や資料を読み独学で健康について学ぶうちに、自然からかけ離れた生活が病気の一因になると感じた。
「母親も病院の治療と並行して体づくりをした結果、健康を取り戻しました。病気を治すには、体の免疫力や自然治癒力を高めることが必須だと分かりました」。
そうした経験から多くの人に自然と触れ合う場を提供したいと2010年に同園を開園したほか、がん患者会などを立ち上げ各地で講演活動や患者のサポートも行っている。
「風の音や鳥の声、花の香りに包まれて作業をすることで頭が空っぽになりストレス解消が期待できます」
現在、つくば市の障害者就労支援団体「ごきげんファーム」の施設利用者と職員が週2〜3回農園で作業に勤しむ。園内に自生する竹の乳酸菌を利用した自然循環農法をともに取り組んでおり、利用者は園での作業を心待ちにしているという。
「自然の中で生きることの豊かさを知ってほしいです」と野本さん。
同園では多くの人に自然の中で体を動かす機会を提供したいと7、8月の月・火・金曜の週3日、障害者の福祉施設団体や園児、高齢者などに開放する予定。
「お手伝いクラブ」の仲間も募っている。
■問い合わせ
090(4548)2046/野本さん
* 問い合わせの際は「常陽リビングのホームページを見た」とお伝えいただくとスムーズです。