天然痘やコレラなど感染症が猛威を振るった江戸時代、志筑藩医を務めた金子寿仙(じゅせん)を通して近世医学の発展を知る特別展が、2021年3月14日(日)までかすみがうら市歴史博物館で開かれている。午前9時~午後4時半。
現在の同市高倉に生まれた寿仙は一家が中志筑村に移ると武士としての教育を受け、25歳の時京都に歴史家の頼山陽を訪ねた後、 紀州に向かい世界初の全身麻酔による乳がん手術を成功させた華岡青洲の門弟になった。
展示では、金子家の自宅の位置が示された志筑陣屋絵図や父親が隣村の割元名主と協働で誘致した大相撲地方巡業の番付表のほか、寿仙が写本した数々の蔵書、郷里へ戻り本堂家の侍医となり水戸街道稲吉宿で起きた心中事件の検視を行った文書などが並ぶ。
また、筑波郡神郡村から迎えた養子・寿活(じゅかつ)にもスポットを当て、天然痘の予防接種である種痘を広めた緒方洪庵に師事し、コレラ(虎列刺)の治療についても知識を深めたその短い半生についても紹介している。
最終日の3月14日㈰には記念講演会を開催。先着50人。希望者は電話で申し込む。入館料一般220円、小中生110円。
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