土浦城の歴史を振り返る特別展が、5月6日(振休)まで土浦市立博物館で開かれている。午前9時〜午後4時半。
江戸時代に城郭として本格的な整備が行われ、9万5000石を治めた土屋氏の居城として知られる土浦城。若泉氏や小田氏治の家臣の菅谷氏などの史料と共に城の黎明期の在り様を掘り起こし、霞ケ浦や湿地帯に囲まれた城の姿を今に伝える「常州土浦城図」(県指定文化財)は2メートル四方と巨大で「全国の城の軍事機能を把握するため幕府が諸大名に提出させたもの」と同館学芸員の西口正隆さん。
また、土手や大手門の水回りの修復願い「老中奉書」や幕末に外丸御殿建て替えの際の棟札、戦後のキティ台風で倒れた西櫓から出土した瓦や鯱瓦なども展示されている。
「城を伝える」のコーナーでは、63歳で藩に登用された農政学者・長島尉信の資料を公開。独自に収集した記録や測量を基に、当時城下で広まっていた「平将門築城説」を一蹴したり土地不足を克服してきた城の歴史を解析し「身分を問わず解決に尽力すべき」と提言している。
近代に入り各地の城が陸軍の管理下に置かれ廃城となる中、土浦城址を新治県庁の庁舎として継続使用できるよう大蔵大臣井上馨が陸軍大臣山県有朋に宛てた文書や明治17年に焼失した本丸御殿や鐘楼も写る貴重な写真なども展示し、土浦城が現代に残る足跡をたどる。
また、街中に残る土浦城の名残を土浦市文化財愛護の会写真部会が写した写真展も同時開催中。入館料一般105円、小中高生50円。
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029(824)2928/同館
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