Joyoliving News : 2020年03月02日掲載

就業「準備支援」、各地で

中高年引きこもり61万3000人

昨春、内閣府は中高年を対象にした初の調査で40~64歳の引きこもり人口が61.3万人との推計を発表。2015年度の調査で判明した15~39歳の若年引きこもり数54.1万人を上回っている。「社会と関わるのが不安」「他者とコミュニケーションがうまく取れない」など、就労に向けた基礎能力を養う「準備支援」の重要性が地域でも高まってきている。

他者と関わる


他者を理解するサポステの「若者のつどい」セミナー=2月12日、つくば市東新井

昨春、かすみがうら市が任意事業として始め、市社協が委託を受けた就労準備支援事業。これまでの生活困窮者自立支援制度に基づいた就労支援では、働いた経験が全くない人からの相談も多く「昼夜逆転の生活や家族と会話がない状態では面接さえ難しい状況」だったという。相談者は支援員と共に生活リズムの改善や食生活の見直し、体力づくりなどから1年をめどに自立を目指す。

中2で不登校になり、以来27年間引きこもっていたという40代のAさんは昨秋から生活の見直しを始めた。支援員と近所への散歩やショッピングセンターなどへ出掛けるなど外出機会を増やしている。

先の見えない生活から抜け出そうと決心したのは親が年金暮らしになったことに加え、親類の高校進学を控え授業料などで力になろうという責任感が芽生えたから。「俺はダメだ―」。支援員と交わす連絡ノートには当初否定的な言葉ばかりが並んでいたというAさん。農園での作業や調理実習など独自のプログラムをこなすうち分からないことは人に聞き、他者に意見を求めることもできるようになった。

社会との接点が増えた今、Aさんは自宅で母親と台所に立ち、家族で食卓を囲んで会話を楽しむことも増えた。「皆さんが支えてくれますから」。Aさんは徐々に変わりつつある自分を実感している。

市社協の大久保敏行さんは「親が80代、当事者が50代という『80・50問題』の状態にならないためにも早めの支援が重要」と話している。就労準備支援は同市と牛久市、筑西市のほか、石岡市でも実施され、来年度からつくば市でも始まる予定。市社協ではかすみがうら市内在住者の生活自立相談窓口を設けている。

■問い合わせ
TEL.029(879)9155/かすみがうら市社協

自己肯定感


社会復帰に向け、農園の草刈り作業を行うAさん(左)(かすみがうら市社協提供)

水曜の午後、つくば市内のマンションの一室で「他者理解」がテーマの集いが行われた。主催は厚労省の委託事業として6年目を迎える「いばらき県南若者サポートステーション」。15~39歳までの若者の就業相談に無料で応じ支援プラン作成なども行っている。

この日の課題は大学のキャリア教育担当講師による作文を通した自己分析。論文作成で体調を崩したという大学院生が好きな色について語り、健康面で不安だが薬剤師として復帰したいと話す女性や高校時代の不登校の経験を話した男性らに対し、参加者が質問することで他者理解を深めた。

同所には年間100人前後が相談に訪れるが、代表理事の石黒澄子さんは「大半はまじめで良い子だが自己肯定感が低い」と感じている。パソコンのスキルや履歴書の書き方など技術面での指導も行っているが、最も重きを置いているのが相談者の親とスタッフとの三者面談。石黒さんは「親の期待と本人の思いとのズレ、長年の勘違いやわだかまりなどにお互い気付いてもらい、関係を再構築してほしい。本人の自己肯定感を育むには親の協力が必要不可欠なのです」と話している。サポステでは県南9カ所での出張相談も行っている。

■問い合わせ
TEL.029(893)3380/サポステ(つくば市東新井28-4荒井マンションII2-C)

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