Joyoliving News : 2020年02月14日掲載

懐かし新し、心ときめく「切手収集」

牛久市在住の羽賀正雄さん

昭和の時代、全国的な人気を集めた切手収集。国内外の個性豊かなデザインや希少性などに引きつけられる愛好家は、今なお健在。森林や樹木をテーマに半世紀以上の収集歴を誇る羽賀正雄さん(82歳、牛久市在住)を訪ね、魅力や面白さを聞いた。


入手ルートは切手店からインターネット中心に移ったが「探す楽しみは変わりません」=牛久市内

「ほら、ここに鹿が居るんです」。コレクションにルーペをかざし声を弾ませる。収集した切手は2万点超、国と地域別にまとめたファイルは70冊以上におよぶ。

一言で「収集」といっても、動植物や乗り物などデザインのジャンルや時代、国別などまさに多種多様。羽賀さんは国際的な会議や環境キャンペーンの記念切手など、森林や樹木・植物に関する未使用切手中心に集め続けている。中には額面を大幅に超えて取り引きされる希少品もあるが、テーマに沿った物を上限価格を決めて購入しているという羽賀さんは「こんなにあっても資産的価値はゼロに近いかも」と苦笑い。世界のあらゆる切手や市場価格を網羅した分厚いカタログをめくり、入手した切手を隅々まで観察。樹木や植物の名称、描かれた理由まで考え、メッセージや意味を読み解く日々を楽しんでいる。

故郷新潟で過ごした、インターネットやテレビゲームとは無縁の少年時代。「周りもやっていたから」と当時バラ売りメインだった記念切手などを買い求めたが、当時は「きれい」と眺める程度。本格的にのめりこんだのは大学林学科を経て林野庁で働き始めた20代。ふと立ち寄った都内の切手店で目にした3枚組台湾切手にくぎ付けになった。

水資源を蓄え、木材を供給し、動植物を育む。「小さな絵に森林の役割が表現されていて本当にほれぼれした。こんな切手なら集めてみたいと思いましたね」。多様なメッセージをデザインに込めて世界を巡ることから「小さな外交官」とも称される切手だが、その美しさだけでなく「奥深さ」も学んだ。

中高年も若者も


羽賀さんが本格収集するきっかけになった切手

趣味の多様化などでブームは縮小した切手収集だが、中高年の「復帰」や新たなファンもみられるという。郵便全体の愛好家らでつくる全国組織の(公財)日本郵趣協会によると、会員数は1980年ごろの3万人をピークに減少し、現在は約7000人。

同協会が切手文化の普及に取り組む中、近年アプローチに力を入れているのがブームの頃に小中学生だった60代と若い女性。時間やお金に余裕が出て収集再開した世代が見られるほか、若い女性は「雑貨感覚」でキャラクターものやデザイン性の高い切手が好まれる傾向があるという。

ワクワク伝えたい


樹形や葉など精緻なデザインは「まるで豆図鑑」。フランス切手

羽賀さんは林野庁勤務時代に切手や消印などの資料をテーマに沿ってまとめるコンクールや展示に注力したほか、林業団体発行の冊子に掲載する切手と緑に関するコラムをこれまで約35年間継続。退職後勤務した専門学校ではデザインを示しながら林業や緑の大切さを講義するなど、「発信」することも大切にしている。

70代後半で加入したNPOの仲間の発案で、切手を切り口に市民向けに語る機会が初めて設けられた。「自分の道楽が何かの役に立てればうれしい。森林や自然環境について考えて行動するきっかけになれば」


里山セミナー「切手が語る世界の森林・樹木―その多様性と保全について―」(牛久市都市計画課、うしく里山の会主催)は、2月15日(土)午前9時半~正午、牛久市中央生涯学習センター2階中講座室で開催される。参加無料。

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