Joyoliving News : 2019年12月27日掲載

鼻息荒く、さりげなく

〜俳句芸人村上健志の「現在地」

人気お笑い番組の企画「運動神経悪い芸人」で一躍脚光を浴びたお笑いコンビ「フルーツポンチ」のボケ担当・村上健志さん(牛久市出身、39歳)。自意識過剰で面倒くさい青春時代を糧に芸を磨き、最近では俳句や短歌に活躍の幅を広げる村上さんに恋愛観や文学、真の「格好良さ」について聞いた。

面倒くさい青春


運動音痴だが、スポーツを見るのは大好き。「最近、ラグビーのルールを覚えた」

―小学生の頃は分厚い眼鏡をかけ、勉強に関して「苦労した覚えがない」ほど優等生だったという村上さん。地元サッカー少年団では「一応」DFだったそうですね。

友達によく「お前、走る時肩上がってるよ?」って言われてましたね。運動神経の悪さは自覚してたけど、自分の動きって自分で見られないじゃないですか。

「運動神経悪い芸人」のオンエア見たら確かに(肩が)上がってて(笑)司会者やスタッフがうまく笑いを引き出してくれたおかげ。自分の「手柄」ではありません。

―高校からコンタクトレンズに変えた。モテましたか。

全っ然!!高校生までまともに女の子と喋れなかった。ずっと中学時代の同級生が好きだったんですが、周りには「俺は付き合おうと思えば誰とでも付き合える」と謎の虚勢を張り、「いつかむちゃくちゃカワイイ子に告白される」と妄想してた。

―すごく面倒くさい奴(笑)

「お前は他人より劣っている」と真正面から言われるのも嫌だし現状を認めるのもしゃく。自意識の塊です。青春時代の劣等感を払拭(ふっしょく)したかったのに、結局それが今につながってる。因果なものです。

初めて自分から告白したのは大学の時ですが、あの時ちゃんとフラれてしっかり傷ついていたら少し違った人生になったかも。今では良いなと思った女性にはきちんと伝えてますが、モテる奴って中学くらいで普通にこういうことできちゃうんだよね。僕はフツーより5~6年遅れていたということ。

文学への“転身”

―最近は俳句や短歌など活躍の幅を広げています。

ふと、俵万智さんの『サラダ記念日』を思い出して。楽屋で読んでたら後輩芸人も短歌が気になってたみたいで。「この偶然は何かある!」と。高校生くらいだと自分で歌詞書いたりするじゃないですか。「あれと同じだろ?」と…完全にナメてました。

お笑いライブで詩人の小島なおさんに公開添削。ボロクソに批評された(笑)ボロクソすぎて笑いも取れたわけですけど。「自分では才能ある風だけど、その表現すっごくフツーですから!」みたいな。

例えば夕焼けや月はモチーフとしては一般的過ぎ。誰もが美しいと感じるし、夕焼けや月はそれだけで完成した美しさがあるから。

―その頃作った歌は思い出せますか。

「夜晴れに ぺりっとはがせそうな月 月より黄色いTSUTAYAの看板」…ですかね。

―なんか独特!

小島さんに「はがせそう」という表現が鮮やかな月光と澄んだ空気感が伝わってくると批評していただいた。奇をてらった表現と、どれだけ抑えられるかのさじ加減は今でも難しいところ。

お笑いの「あるあるネタ」でいえば、宝くじで100万円当たったとストレートに自慢する奴より「俺、フランス映画しか見ないし」と気取ってる方がウザさが伝わります。こういうのは短歌や俳句も同じで、やってみないと良し悪しが分からない。評価するのは他人ですから。

普段から季語を調べるために歳時記を持ち歩きますが、作っている時は苦しくて楽しい。なぜ続けられるか?やっぱり褒められるのがうれしいんでしょう。こういうのは大人になっても変わらないんですね。

―短歌や俳句の面白さはどこにあると思いますか。

いいですか、今からすごくカッコ良いこと言いますよ?俳句や短歌は「分かろうとする文学」なんですよ。なぜ良いかはうまく説明できないが「何か良い」っていう。

「『この味がいいね』と君が言ったから 七月六日はサラダ記念日」は、あくまで俵さんの人生の一コマ。「『寒いね』と話しかければ『寒いね』と答える人のいるあたたかさ」もなぜか胸キュン。そんな瞬間は誰にでも訪れるものではないし、少なくとも僕にはなかった(笑)。でも、あたかも過去に体験したかのように胸がうずきます。

歌を詠むことは、誰もが気付いているはずなのに気にも留めずに忘れちゃった「何か良い」を拾い集めることなのでは。最初の頃作った歌、披露しましょうか?
「君の差す 紫色の目薬も きっと忘れてしまうのでしょう」

う~ん、恥ずかしい。

カッコイイ生き方

―芸人としてこれからどう飛躍していきたいですか。

昔は型破りな笑いで目立とうとしていたけど、俳句の表現と同じで、あからさま過ぎると面白くない。「格好良い」が、ただの「カッコつけ野郎」になっちゃうみたいに。

「ヒザ神」もそうですが、今は周りに感謝する気持ちが強い。自分の力で何とかしようと思っていたら周りが笑いを「見つけて」くれた。昔は「手柄」が全部自分であってほしかったけど、今は笑いが生まれる場に関われれば何でもいい。こんな楽しい職場、他にないでしょう?

―「大人になった」ということなのでしょうか?

いやいや、今でも中学時代と本質的には変わってない。昔よりは人に感謝できる日が増えてますけど「俺が一番」の日もやっぱり多いから。

最近の一番カッコイイ瞬間のオレですか? …真剣な表情で俳句を考えている時のオレですかね。「カッコつけんなよ村上!」って突っ込みが飛んできそうですが。

…さ~て、そろそろ写真撮影いきますか!

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