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2019年5月13日(月)

家族と庭と、アイロンと

5元号目を迎えた県内男性最高齢 飯田酉之助(とりのすけ)さん

1909年(明治42)生まれの飯田酉之助さん(下妻市在住)は明治、大正、昭和、平成を生き抜き、令和で5元号目を迎えた御年109歳。85歳まで半世紀以上仕立て職人として第一線でハサミを握り、県内男性最高齢となった今の日課は「洗濯物のアイロン掛けと庭仕事」。最愛の家族と笑顔の絶えない毎日を送っている。


“同級生”は文豪の太宰治。アイロン掛けの腕は今も現役時代のまま=4月22日、下妻市内の自宅で

 

昨春、県内男性最高齢となった飯田さんの一日は庭仕事から始まる。ミカンやイチジクなど11種類の果樹、カトレア、コチョウランなどへの水やりと家庭菜園の草取りにたっぷり3時間汗を流し、正午には家族が用意した昼食を取る。

健康の秘訣(ひけつ)は毎日を規則正しく過ごし、朝の庭仕事と午後のアイロン掛けなど自分の役割を持つこと。「いくつになっても家族の役に立ちたいからね」

 

親の勧めで

生まれは筑波郡谷田部町。1926年(大正15)の尋常高等小学校卒業時はまだ周りに和装があふれていたが、「近々洋装の時代が来る」と両親に勧められ浅草にある親類の仕立て屋に修業に出た。針やミシンの使い方、型紙の取り方、アイロンの技術などを一から学び5年で紳士服全般を作れるようになったが「まだまだ半人前でね。医者でいえばインターンだね」。

都内や取手市内の有名テーラーで4年間働いて腕を磨き、結婚を機に独立。1932年(昭和7)、縁あって関東鉄道常総線石下駅至近の栄町通りに「飯田洋服店」を開業。翌年には一人娘のユキ子さん(86)が誕生した。

念願の独立を果たしたものの高価な紳士服を買ってくれる人は少なく、困難な船出だった。自ら客を開拓しようと自転車で外商に回ったところ、地元の名士などから少しずつ注文が舞い込むようになった。生地を仕入れに行っていた都内の問屋が車で届けてくれるなど、軌道に乗った頃に太平洋戦争で徴兵。極寒の中国山東省では兵役の傍ら上官の軍服のほつれ直しやボタン付けなども進んで引き受けた。

戦後は留守中店を守り続けた愛妻はるさん(平成7年死去)に支えられ仕立て業に打ち込みながら、約30年にわたり洋裁学校を運営し地域への洋服文化の普及にも力を注いだ。齢85となった1993年(平成5)、家族が下妻に静かな土地を見つけてくれた。「仕事は思う存分やった。今後は好きな庭いじりを楽しもう」。引っ越しとともに半世紀以上掲げた看板を下ろした。

今が一番幸せ


(1)同居する家族と(2)苦労を共にした愛車と店の前で(昭和7年頃=本人提供)(3)約70年はめ続けた指抜きの影響で右手中指は湾曲。「勲章みたいなもんだね」

午後3時。ひ孫から贈られたコーヒーメーカーをセットして出来上がりを待つ。砂糖とミルクはその日の気分次第。ひと息ついたら窓際の作業台でアイロン掛けを行う。水をスプレーで吹き付けながら、家族5人分の衣類をシャキッと仕上げていく。夕食は午後6時。遅れそうなときは「催促しているみたいで悪いから」静かに自室で待つ。そんな「大きいじいちゃん」のさりげない優しさと気配りに「救われますね」と孫の康之さん(60)の妻、千代美さん(58)。

酉之助さんの口癖は「今が一番幸せ」。今年はユキ子さんとその夫の康平さん(88)と3人で、愛媛に住む玄孫(やしゃご)の勇之介君(6)の元を訪れる予定。2回目となる来年の東京オリンピック観戦に向け早くも胸が躍る。「こうして元気にまた新しい時代を迎えられた。家族と一緒に人生まだまだ楽しみたいね」

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