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2019年4月5日(金)

「樹齢120年」下大津の桜

保存会、「融和の象徴」守り続けたい

かすみがうら市加茂の小学校跡地にあるソメイヨシノを守ろうと、地域住民らが奮闘している。昨年市指定文化財(天然記念物)となった「下大津の桜」は明治末期、二つの村の小学校統合を記念して植樹されたもの。近年著しく樹勢が衰えたかつての老木に冠せられた村の名前を残そうと、剪定や土壌改良が行われている。


桜の木について「随分詳しくなった」という保存会メンバー。=4月1日、かすみがうら市加茂

3年前、113年の歴史に幕を下ろしたかすみがうら市立下大津小学校。昭和30年代半ばまで県道を挟んだ土地に旧校舎が建ち、隣接の保育所と共に子どもたちを送り出してきた。

元校庭の一角にある幹周り4.5メートル、高さ10メートルのソメイヨシノは、日本緑化センターの衰退度判定調査によると5段階のうち上から3番目の「不良」だが、「気になって見に行っちゃう。卒業生だからね」と下大津の桜保存会メンバーで樹木医の小松ア定男さん(65)。桜の木を見上げ通学した半世紀前の情景と比べ樹勢は格段に衰えたが、「桜守としてずっと見守っていきたい」と毎日のように足を運ぶ。

統合の象徴


下大津の桜と下大津小学校旧校舎(昭和20〜30年代ごろ、同小創立100周年記念事業実行委員会提供)

「下大津の桜」の歴史は明治時代にさかのぼる。1889年(明治22)、戸崎村と加茂村が合併し下大津村が誕生。小学校統合を巡り住民らの間で大論争の末、1903年(明治36)下大津尋常高等小学校が開校。口伝によると、開校翌年に「加茂小から当時の5年生が桜の木を担いで運び、5・6本移植した」という。桜は「当時の5年生」が加茂小入学時に植樹したものとされ、言い伝えが事実なら樹齢は120年ほど。

また、昭和43年の出島村広報には「樹齢七十年以上」の桜をてんぐ巣病から守ろうと地元の老人クラブが枝切り作業を行ったという記事が写真入りで紹介されている。

保存に向けて住民らが動き始めたのは10年前。保育所の閉園に伴い「桜の木も一緒に切られるのでは…と不安がよぎった」と同市議の来栖丈治さん(59)。小学校が廃校となった今、「下大津」の名が残るのは同じ敷地内の駐在所だけ。仲間とライトアップや観賞会を行ったが、6年前の大雪で太枝が2本折れた。16年には日本花の会の調査で目視ながら「百年桜」との判定。翌年3月に支柱を立て、てんぐ巣病の枝を切除した。保存会を設立し、昨春晴れて市指定文化財となった。

統合の象徴


昨年満開となった下大津の桜(保存会提供)

今年2月、保存会メンバーで樹木医の木村治美さんが行った調査で意外な事実が判明した。土壌は35センチ盛り土されていた。地中40センチ付近の根は腐っており、関東ローム層と砂利・山砂の撹拌(かくはん)土壌(15〜35センチ)は強く踏み固められ「根が呼吸困難の状態」だった。それでも、0〜15センチの山砂の層には盛り土後発生したと思われる新根が張っていた。

翌月、有機質堆肥と酸素供給用資材を投入し、かすかな望みをつないだ。木村さんは「樹齢133年と日本一古い弘前城の桜も、リンゴの剪定(せんてい)技術を生かした枝の更新と徹底した土壌改良でよみがえった」と前を向く。


国内の桜の多くは戦後に植えられたソメイヨシノ。植樹の技術指導や支援を行う日本花の会では、05年から病害に弱いソメイヨシノの配布を中止。てんぐ巣病対策が整備された場所に限り販売してきたが、09年からは苗木の販売そのものを中止している。

保存会では今後、会員らが土壌改良や肥料・薬剤散布、病木剪定など技術の習得と共に、写真展開催や会員拡大の広報活動、県指定天然記念物への指定に力を入れていく。保存会会長の坂本一衛さん(71)は「両村の融和の象徴ともいえる桜の下で、地域がまた一つになれれば」と話している。寄付等の申し込み先はTel090(2210)9674/来栖さん

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