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2019年3月18日(月)

十八の夢、旅立ちの春

わたしの幸せは、あなたの幸せ

2015年4月の生活困窮者自立支援法施行以来、今やほとんどの市町村で実施されている「無料塾」。県内でも早くからスタートした龍ケ崎市内の塾でボランティアを行った女子高生と同所から初めて社会人となる男子高生が、この春巣立ちの時を迎える。

赤いカーネーション


赤いカーネーションを受け取ったヨシキ。「新しい家に飾りたい」=3月5日、龍ケ崎市内

ヨシキ(仮名、18歳)は中2から無料塾に通い始め苦手教科を克服。高校を卒業し、晴れて4月から都内の食品加工会社で働くことが決まっている。

両親はヨシキが4歳、妹が2歳の時に離婚した。母親は多い時で仕事を3つ掛け持ちしたが、幸いSOSを出せるママ友が周りにいた。引っ込み思案な性格が災いしてか、ヨシキは小学生の時からいじめの標的にされた。ゲームやケータイを持っていないためクラスの話題についていけず、放課後は寄り道もせず早々に帰宅。悩む暇もなく夕食の用意が待っていた。妹に初めて作ったオムライスは意外にも好評で、以来料理が楽しくなった。

高校に進学できたことで選択肢は広がったものの、希望した専門学校への進学は厳しい家計を考えると諦めざるを得なかった。入社試験では居並ぶ幹部を前に部活の思い出や人見知りを直すために買って出た生徒会活動など思いの丈を話せた。

「ここに来られるのはあと数回。・・・寂しいな」。ヨシキは無料塾を運営するNPO法人が週2回開く子ども食堂の常連。同所から初めて社会人となるヨシキのために、この日スタッフから洋服や手縫いの座布団、寄付品のタオルケットが贈られた。初めての一人暮らしは不安でいっぱいだが、自活できるのが何よりもうれしい。初任給は家に仕送りし、残りのお金で旅行するつもり。「とにかく頭をカラッポにしたい。そのうち母と妹も連れて行けたら」

中2からの5年間勉強を教わり、思い出がたくさん詰まった場所を離れるのは寂しいが、休みには龍ケ崎に戻って子どもたちに料理を振る舞いたい。「母はよく僕ら兄妹に苦労させて申し訳なかったと言うけれど、苦労があってこその今だから」。サプライズの赤いカーネーションを手に、ヨシキは少しだけ涙ぐんだ。

運が良かっただけ


「緩やかな『川』に生まれた私たちが、子どもたちを守る『ダム』にならなければ」と話す麻生希さん=2月27日、つくば市内

「ねぇねぇ、お父さんがいるってどんな感じ?」「お姉ちゃん、きょうお母さんに『いってらっしゃい』って言われた?」

土浦市内の児童養護施設と龍ケ崎市内の無料塾で約1年間ボランティアを行った麻生希さん(18)は、子どもたちにこう問い掛けられたのを覚えている。「当たり前過ぎて気にも留めなかった親のささやかな愛情が、彼らにはなかった」。そう気付いたのは、ずっと後になってからだった。

活動のきっかけは子ども食堂を扱ったテレビ番組。同学年の男子が「生まれた家が違ってたら…」と言っていた。高校2年の春から放課後子どもたちと手をつないで施設に帰り、ひざを突き合わせて宿題を解いた。時間が来て「バイバイ」と手を振ると「今度はいつ来るの?」と真っ直ぐな瞳で見つめられた。胸がギュッと締め付けられた。

無料塾で担当した中学生は足し算と引き算から教えた。はたと気づいた。彼らには「努力できる環境」がなかった。進学校に通えているのは、自分が受験勉強を頑張ったからだと思っていた。友人と将来の夢を語ったり部活動で汗を流したり、興味を持ったボランティアに参加できるのは、「運良く」衣食住が保障された家庭に生まれたからだー。子どもたちと触れ合ううち、進む道は決まった。 4月から都内の大学に進学し、心理学や児童虐待など子どもの貧困問題を学びたい。「無料塾は単に学力を上げる所ではなく、『あなたの幸せを願っている人が、そばにいるんだよ』と子どもたちに伝えてあげる場所なんだと思います」

県内の生活保護世帯は昨年11月(速報値)で2万2362世帯、前年同月比で554世帯増加している。

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