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2019年2月25日(月)

高校生「育児楽しい」イメージ上昇

官民学連携で赤ちゃん学校

乳幼児を連れた保護者が高校を訪れ、自身の子育て経験を話す「赤ちゃん学校」の取り組みが県内でも広がりを見せている。ライフスタイルが多様化する中で選択肢の一つに「子育て」を提示しようと官民学が連携し、今年度は7校で実施。生徒への育児に対する具体的なイメージの訴求とともに、保護者の地域社会参加も促している。


赤ちゃんを前に屈託ない笑みを向ける生徒たち。昨年10月17日、水海道一高で(NPO法人ままとーん提供)

「かわいい」「手も足もちっちゃいね」。生徒たちの表情がほころぶ。この日、水海道一高2年生の元を訪れたのは赤ちゃんを連れた11組の親子。10人ほどのグループに分かれた生徒たちが親子の元を回って出産や子育てのエピソードを聞き、赤ちゃんを抱いたりあやしたりしながら交流した。

普段の学校生活では見られない生徒の一面に「こんなやわらかい笑顔を持っていたんだ」と教員からは驚きの声が上がっていた。

官民学のモデル事業

国立社会保障・人口問題研究所が2015年にまとめた出生動向基本調査によると、子どもと触れ合う経験が多かった未婚者は結婚意欲が高く、希望する子ども数が多い傾向にあるという。こうした背景を受け、茨城県では17年度に保健福祉部子ども政策局少子化対策課、教育庁就学前教育・家庭教育推進室、教育庁学校教育部高校教育課が連携した「高校生のライフデザイン形成支援事業」において「赤ちゃん学校」を採択。

NPO法人ままとーん(つくば市)と認定NPO法人水戸こどもの劇場(水戸市)が事業を受託し、触れ合い体験と講話からなる2コマの授業を初年度は県立高4校に、2年目の今年度は7校で実施した。

子育て「楽しいよ!」

「赤ちゃんが学校にやってくる!」(通称、赤ちゃん学校)の礎を築いたのは県南地域を拠点に子育て支援を行うままとーん代表理事の中井聖さん(つくば市、47歳)。きっかけは05年、団体への依頼で訪れた取手二高家政科の授業。生徒たちに育児の具体的イメージが乏しいと感じる一方、「自分の経験を話すことが純粋に楽しかった。引きこもりがちな子育て中の親と学校をつなげたい」とプロジェクトリーダーとしてNPO単独での事業化を決めた。

講演に必要な妊娠や出産の知識を専門的に学びながら、すでに同じような活動を行っている県外の団体を見学。「親に語ってもらう」「赤ちゃんに触れてもらう」をモットーに7年前、当時長女が通っていた小学校で初の「赤ちゃん連れ授業」を実施した。以来、行政や地域との直接的なつながりが増え依頼も増加。現在まで小中高合わせて延べ93校、1万2000人の児童・生徒が赤ちゃんと触れ合った。

ボランティアの親子は880組で「日常の子育てを話すことで、改めて喜びや楽しさに気がついた」とリピーターも増加。ほとんどは母親だが、父親や夫婦で参加するケースもある。小池洋也さん(つくば市、40歳)は長女(10)が通う小学校で行われた授業に親子で参加。それをきっかけにボランティアに応募し、約1年間の育児休暇中、長男(1)と10回以上県内各地の学校を回ったという。

1月末、つくば市の小野川交流センターで「赤ちゃん学校」の受託者らによる情報交換会が行われた。授業の前後で生徒に実施した「子育ての印象」を問うアンケート結果が公表され、授業の結果「喜び」「楽しい」など肯定的なイメージが上昇していた。

そのほか、受託団体による県内全域でのボランティア親子の確保や資金面の課題などについて議論が交わされた。県少子化対策課の小松英子さんは、「今後は各地域の団体と連携しながら、できるだけ多くの高校で実施してもらいたい」と期待を寄せる。中井さんも「赤ちゃん学校は今と未来の子育てを応援する交流の場。子育て支援センターや買い物に行くように、地域の学校に出掛けていくのが当たり前になれば」と環境づくりに奔走する。

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