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2018年12月17日(月)

二人三脚、見いだす活路

いしげ結城紬深刻な人材難

長らく常総市(旧石下町)の主要産業として発展した「いしげ結城紬」の産地が、深刻な人材難に揺れている。高齢化で専門の技術を持った職人だけでなく、動力機を操る「織り子」も不足。ウェブなどで募集を始めた一方で、産地問屋と手を携え、世代を超えて積み上げてきた価値の再確認を迫られている。


染色を行う中川善文さん=常総市新石下の中安紬工業

「ひと昔前は、街中でガチャガチャ(機織りの)音が聞こえたんだけどね」

常総市内で機屋を営む中川啓さん(66)は、絣(かすり)の着尺物を専門に作る工場の2代目。出機(内職)を含む熟練の織り子は4人全員が60代を超えた。

日常的に着物を着る人が減ったとはいえ、今も20〜30万円台を中心に注文が途切れることはない。これまでは需要が高まる3〜4カ月前の発注に対応していたが、ここ数年は織り子が確保できず前倒し生産が常態化。中川さんの工場でも、以前は子どもを保育園等に預け働きに来ていた若い女性が、「他の仕事の方が割りが良い」と辞めていったという。

鬼怒川流域での織物の発祥は奈良時代。旧石下町では200年前に木綿織から始まり、明治期に本格化。貴重な現金収入源となるため、農家の女性がこぞって織り子となった。

茨城県結城郡織物協同組合理事長の小林茂博さん(64)によると、1956年(昭和31)に「本場結城紬」が国の重要無形文化財に指定されると、高度成長期の需要増も相まって一気に生産量が増加するも1978年(昭和53)の22万7000反をピークに減少し、2008年には最盛期の11%と低迷。27社あった機屋はこの10年で10社ほどに減った。

手を携えて

「産地の皆さんと一枚岩で新しい価値を発信していきたい」と話すのは、創業111年を迎える老舗問屋「奥順」(結城市)専務の奥澤順之さん(36)。仕入れ値を上げるなど産地へ還元しているが、近年の世界的な生糸の原料高で「焼け石に水」の状態。ここ十数年、同社では本場結城紬の手つむぎ文化を守りつつ、大量生産が可能な「いしげ」でバリエーション豊かな洋装を展開。真綿の風合いを生かしたショールや帽子のほか、今春にはセネガルの著名なテキスタイルデザイナーが手掛けたクッションやカーテンなどで消費者のすそ野を広げている。

「いしげ」の普及と共に、「本場」の市場価値向上にも努めている。同社では英国高級外車のロールスロイスとコラボしたトークショーや今年10回目を迎える結城の古い町並みを生かした着物イベントにも参画。今後は「本場」の技を取り入れたパーカーやコート、パンツなどカジュアルファッション分野への進出も視野に入れる。奥澤さんは「産地問屋として、私どもは『モノ作りの背景』を全国の小売業者にしっかり伝えていく。皆さんが長い年月を掛けて積み上げた技術にこそ価値があるのですから」。

この仕事が好き


(1)常総市で作られたマフラーを巻く奥澤順之さん(2)セネガルのデザイナーと組んだインテリア各種(3)動力機を使った生産風景=常総市新石下の小林織物工場

「今じゃ組合で俺が一番の若手」と中川さんの長男で3年目の善文さん(36)が苦笑する。景気の悪化で一時期は家業を離れ、ダンプの運転手で糊口をしのいでいた。今では父の背中を見て修業を重ね、染めから織りまで一通りこなす。

先日、丹精込めた反物があでやかな着物となって雑誌に掲載された。「自信になるよね。(水害で)被災したウチの工場に見舞金や義援金を届けてくれた問屋の期待にも応えたい。限界まで良い物を作りたいね」。小林さんの工場で30年来働く高橋タカ子さん(72)も口をそろえる。「社長からやめてくれと言われるまで続けたい。この仕事が好きだからね」。

組合では織り子も含めた作り手を募集している。
■申・問 tel.0297(42)2201/同組合

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