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2019年11月2日(土)

被災者「心」のケアに従事

筑波大附属病院 災害派遣精神医療チーム「DPAT」

大地震や豪雨などで甚大な被害を受けた精神医療機関支援や被災住民らの心のケアに当たる、災害派遣精神医療チーム「DPAT(ディーパット)」の活動が注目されている。台風19号が猛威を振るった県北にいち早く駆け付けた筑波大学附属病院のチームをまとめる精神科医太刀川弘和さん(52)に、地域の「心」を守る活動について話を聞いた。


「まずはその人に寄り添い、気持ちを十分に聞く姿勢が大切」と太刀川さん=つくば市内

去る10月17日・18日、浸水被害が大きかった大子町に筑波大学附属病院DPATが入った。保健師や地元関係機関と連携し、一人暮らしの高齢者などのもとに出向き、「心」の様子を把握。

現地を歩いた太刀川弘和さん(筑波大学附属病院災害・地域精神医学研究センター部長)の見立てでは即時に医療機関に引き継ぐような事例は見られなかったが、被災から1〜2週間後に心のケアが必要になる人が多い傾向があるため「落ち込んだり調子が悪くなったりする人が徐々に出てくるかも」と推察。

一般の人が被災者と接する際には「つらい気持ちを酌みながらじっくりと話を聞き、寄り添う気持ちで対応していただきたい」と話す。

「心」への影響


大子町での活動で、他の支援チームと話し合うDPAT(太刀川さん提供)

太刀川さんが災害時の心のケアに関心を高めたのは、2011年の東日本大震災がきっかけ。発災から約2カ月後、現地からの協力依頼により同大精神科医として福島県相馬市へ。大津波で破壊された街の惨状を前に「何とかしたい」という気持ちが湧き起こった。

大切な人を突然失ったショックや避難所生活のストレス、不眠などを訴えた被災者らにカウンセリングや薬の処方を行うほか、臨時精神科外来での診察などに力を注ぎその後もたびたび現地入り。気丈に振る舞いながらも「子どもがこの風景を見るのかと思うと…」と話すと同時に泣き崩れた行政職員など、災害が心に及ぼす影響を目の当たりにした。

震災以降、筑波大学附属病院と県立こころの医療センターは連携し被災地の精神医療確保に対応。15年の関東・東北豪雨では、本県最大の被害を受けた常総市で被災者や対応に追われる行政職員ら支援者側のケアに尽力。この災害以降、県から派遣されるDPATとして正式に整備され、県内外に出動を重ねている。

震災5年を機に太刀川さんらが福島からの本県避難者に心の動きを尋ねた調査によると、震災後の気分の総和が、今現在の憂うつな気分につながる傾向が見られたという。

レジリエンス(立ち直る力)の構成概念は明らかではないが「周りのフォローやケアの仕方、環境などが、その人の未来につながっているとの見方ができる」。だからこそ、自身が被災者と接する際にはじっくり話に耳を傾け、つらい気持ちを話してもらうといい、「一期一会も多いですが、その方の人生が少しでも良くなる方につながってもらえたらと考えています」。

悪路も「自力」で


被災した町内の高齢者宅などを巡回(太刀川さん提供)

現在、現地入りの際には「学内やレンタカーのワンボックス車を都度手配している」という太刀川さんらは、悪路走行や長距離移動も可能な同大DPATの「移動基地」となる専用車両の導入を目指している。

インターネットのクラウドファンディング(CF)で9月から資金支援を募る中、第1目標の車両購入費500万円をこのほど達成。今後はひと目でDPATカーと分かる塗装や赤色灯、スタッドレスタイヤ、カウンセリングを行う簡易面接室なども装備できる最終目標750万円を目指す。

全国100チーム以上のDPATで専用車両を所有するのはいまだ長野の一例のみといい、「車両導入が実現できれば、これまで以上に機動力を発揮し被災者のもとに駆け付けたい」と太刀川さん。CF期間は11月29日(金)まで。詳細はホームページ「筑波大学 災害・地域精神医学」で検索。


災害派遣精神医療チーム「DPAT」
専門の研修を受けた精神科医や看護師、心理士、薬剤師など3〜5人程度で1チームを編成。東日本大震災を機に厚労省が定義や活動要領を整備し、2013年から都道府県などが組織。本県DPATは筑波大附属病院と県立こころの医療センター(笠間市)が活動の中核を担い、熊本地震で初の県外支援を実施。台風19号では大子町、水戸市、常陸太田市、常陸大宮市に派遣された(10月27日現在)。

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