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2019年9月14日(土)

「花の運河」育てて33年

小貝川のコスモス畑、もうすぐ見頃

取手市椚木(くぬぎ)の小貝川河川敷に約1.1キロ続く「フラワーカナル」。住民有志の「藤代まちづくり協議会」が「郷土の川と仲良くしたい」と花栽培を始めてから33年目を迎え、季節の花が川岸を彩る風物詩として定着。今秋もコスモスが少しずつ咲き始め、行き交う人を楽しませている。


以前の見頃の風景。濃淡のピンクが連なる(取手市提供)

残暑厳しい9月上旬。県南総合防災センター前の川と堤防の間に広がる約1.1キロ、幅約7〜10メートルにおよぶコスモス畑に、藤代まちづくり協議会の6人が集った。

軍手やひざ痛防止のサポーターを着け1時間半ほどの草取り作業。「とても全部は…」と苦笑いするのは、会長の飯泉光一さん(77)。市から提供された20リットル超の種は7月に約20人で一気にまき、秋の見頃に向け週末は雑草との根比べ。「ボランティアなので無理せず、強制せず、できる人がやっています」

自分たちの手で


秋風に揺れるコスモス=9月6日、取手市椚木

始まりは1987年(昭和62)。藤代町(当時)の将来像について検討する町の諮問委員を2年間務めた農家や主婦、商店主、自治会役員ら約20人が「せっかく集まったんだから何かやろう」と意気投合。目標はすんなり決まった。

「小貝川をもっと地域に親しまれるようにしたいね」。たびたび水害を起こし「暴れ川」と呼ばれた川と「仲良くする」ため、建設省下館工事事務所(当時)から堤防改修を終えた河川敷を1キロメートルほど借り受け、花育てを始めた。

飯泉さんによると、昔の河川敷はアシなどが生い茂り、ごみが散乱。「皆きれいにしたいと思っていた」。春から初夏にかけ古だんすや割れた茶わんなどのごみを回収。トラクターでの地ならしで爪に当たった岩石は、一つひとつ手作業で取り除いた。

活動に対して時に冷ややかな声も聞こえたが、友人から「コスモスが咲いてるぞ」と連絡が入ったときは河川敷に飛んでいった。わずか3、4輪の花が、風に揺れていた。汗をかいた分だけ本当にきれいに見えた。

コスモスが終了すると春に向けポピーの栽培に取り掛かり、見頃の5月には地域団体・企業の協力で花まつりを開催。来場者や祭りに参加した演奏者から「きれいな花の中で楽しめてうれしい」と感想をもらった。住民による花育ては流域にも広がり、同所は英語で「花の運河」を意味するフラワーカナルとして親しまれるようになった。

花のリレー


雑草取りの後、ひと息つく飯泉光一さん(左)ら。作業の間の雑談も楽しい=9月1日、取手市椚木

春秋の花栽培を続ける中、会では10年ほど前からコスモスに先駆けて咲くヒガンバナを導入。間もなく見頃を迎える。定年後に活動に加わった市内の船津輝男さん(77)も「いつも花が咲いていると気持ち良いからね」と元気いっぱい手を動かす。

河川敷の景色が気に入り同市に越してきた中野陽子さん(60)は、散歩中同会の作業に出合い手伝うようになった。会ではメンバーの高齢化が課題となっているが、飯泉さんは「地域の人がもっと小貝川に興味を持って親しんでもらえるよう、できるだけ続けたい。小さくてもキラリと光る街にしたいから」と話している。

今年は天候不順や台風などによる影響を受けたが、同会によると9月末〜10月初めごろに見頃を迎える見通し。

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