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2018年12月22日(土)

思い出の学び舎、「観光の拠点に」

2中7小が廃校 つくば市筑波地区

昨年度末、児童生徒数の減少などで統廃合された県内の小中学校は28校。地域コミュニティーや防災の拠点を今後どう生かしていくのか、各地域で活発な議論が交わされている。一度に2中学校7小学校が廃校となったつくば市筑波地区では思い出の学び舎を新たな観光拠点にしようと、住民らが積極的な話し合いを重ねている。

山麓の玄関口


筑波東中の廊下からは青空に筑波山がくっきりと映える(提供:よしや写真館)

国道125号北条跨道橋から望む筑波東中学校。2017年9月に廃校となり、今はテニスコートに枯れ草が生い茂る。筑波西中、小田小、田井小、田水山小、作岡小、菅間小、筑波小、北条小を統廃合し今春「秀峰つくば義務教育学校」が開校。市では先月、5年前に廃校となった山口小を含む10校跡地の利活用について各地で意見交換会を開催。61社に上る民間企業のニーズ調査結果なども公表した。

中でも、商店主や大学、NPOなどと連携する北条街づくり振興会(坂入英幸会長)では東中の利活用を皮切りに、地元北条小を「工芸」を軸にした作家らのアトリエやギャラリー、カルチャースクールなどとする活用案をこのほど市に提案した。

「東中は山麓観光の玄関口。例えばシャワー施設があれば筑波山や宝篋山に行く人のハブ施設になれる」と話すのは振興会の若手・矢島祐介さん(37)。9年前にUターンして老舗写真館の跡を継いだ。

学校は運動会や卒業式などで「お得意様」だったが、地域の学校がなくなる寂しさを実感したのは昨年春。山麓にある田井小でレンズを構えた。構図は桜と校舎と筑波山。廃校で学校に入れなくなるということは、開校以来そこにあった風景が消えるということ―。仕事の合間を縫って民衆の生活史や歴史書をひも解いた。

小学校の持つ地域性は江戸時代以来続く2〜3の字(あざ)が集まったもの。「いわゆる『地域の人』を身体感覚で認識できるのが小学校の学区だと思うんです」。耐震性など問題は山積だが、東中の利活用をきっかけに母校が里山の文化を発信する場所として復活することに住民らは期待を寄せている。

「廃校後2年」がカギ

国の廃校施設活用状況実態調査(平成28年)によると、平成14〜27年度の廃校数は全国で6811校。そのうち未活用は1745校で全体の約3割。活用の用途が決まらない理由として「地域等からの要望がない」が約半数を占めている。

また、既存の建物と土地がある場合廃校後2年までに何らかの形で活用が開始された例が9割近くに上る。跡地利用は大きく分けて民間事業者の公募、公共利用、そして地域の自主運営型の3つ。全国的に知られる四谷ひろば(新宿区)やみらい館大明(豊島区)では地域住民が持ち回りで管理し、自然体験やサロン、工作教室、パソコン教室など幅広い世代に利用されている。

窓から大きな筑波山


イベントに向け各教室の寸法や電源などを確認=12月17日、つくば市北条の筑波東中学校跡地

山麓在住の平石雅子さん(53)は、08年から市中心部で開催してきたクラフト市「つくばスローマーケット」を来年は東中跡地で開くことに決めた。作家が環境や地域に負荷を掛けずに手作りしたものを持ち寄り、対面販売を通して人がつながる催しは次第に規模が膨れ上がり、一時は3日間で10万人以上動員したことも。うれしい半面、作家と客が会話を楽しむ時間がなくなった。クレオ売却問題も背中を押し、実際に東中を視察に訪れた。窓から筑波山が見え、山麓での開催を望んでいた当時を思い出した。駐車場やアクセスなど不安は尽きないが、「学校って何かワクワクする。これだけに終わらず、中学校区の住民が皆で使い方を考えるきっかけになれば」。

2019年3月には同校の「お掃除イベント」も計画中。主催する北条街づくり振興会では東中卒業生の参加を呼び掛けている。

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