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2018年9月22日(土)

壁画アート、開始4カ月

石岡市の日本画家秋元さん企画

美しい色調と丈夫さから国会議事堂や東京駅などにも使われている稲田石。笠間市内の採掘現場にある石室や石に皆で絵を描こうという試みが、今年6月から始まっている。企画したのは石岡市在住の日本画家秋元了典さん(65)。中国国内で同様のプロジェクトに携わった経験を生かし、「参加者が絵画を通して同じ夢を見てほしい」と石壁に向き合っている。


時には現場に自生する植物をモチーフに、地道な作業は少しずつ進む

通称「石切山脈」と呼ばれる採掘現場は、同市稲田を中心に東西8キロ、南北6キロにわたる。切り出された岩が屏風(びょうぶ)のように連なる壁面と岩から染み出した湧き水が湖のように広がる景色は、ドラマや音楽のプロモーションビデオ撮影などに使われている。

今年5月に現場を訪れた秋元さんも、どこまでも続く美しい白石にたちまち心を奪われた。さっそく採掘現場を管理する市田洋三さんに壁画の話を持ち掛けると快諾。以前は石細工の展示場だったが、今はほとんど使われていない壁と石室の一角の使用許可を得た。「1000年後の世界遺産を作ろう」と銘打った一大プロジェクトが始まった当初は、凹凸のある壁に絵を描くことができるのだろうかと素朴な思いもあったという市田さんだが、「秋元先生の中国での経験などをお聞きして、僕らも石壁に描かれた絵を見てみたいと思ったんです」。

敦煌で得たもの

秋元さんは20歳のときに偶然見かけた岩絵の具の美しさに魅せられ絵の世界に足を踏み入れた。以来、日本画家寺田弘仭(こうじん)の下で基礎を学び、中国に渡って水墨画も学んだ。師から与えられた画題の「石仏」をスケッチするうち仏教への興味が湧き、36歳で仏門に。1997年には当時勤めていた浅草寺の仏教学者から、砂漠の真ん中に新たに穴を掘り仏教絵画を描く「敦煌現代石窟プロジェクト」の話を聞き現地に。ユネスコの世界遺産にも登録されている莫高窟の近くの現場では、美術品の保存や修復ではなく、何もない場所に一から石窟を掘り新しい壁画を描く活動にやりがいを見つけた。

最初の5〜6年は乾いた岩を少しずつひたすらに削って漆喰(しっくい)を塗る土台作り。「キャンバス作り」ともいえる地道な作業中、細かな亀裂が入った壁が見つかった。すぐに直して絵を描くか否か、スタッフの間で交わされた激論に終止符を打ったのは、それまで毎日黙々と手作業で穴を掘っていたスタッフの一人だった。これ以上大きくなる亀裂ではないからここに描いて大丈夫と断言する姿に「地道な作業を続けてくれる人に支えられているんだと痛感した」。資金難もあったが徐々に軌道に乗り始め、「若い人が中心になって活動できるようになった」と5年ほど前に一線から身を引いた。

夢を見る


(1)異国情緒も感じさせる雄大な稲田石採石場(2)手伝いに来た子どもにも塗り方を優しく指導する(3)「身近なものでラスコーの洞窟に絵を残したクロマニヨン人のように」と稲田石で岩絵の具も製作

石切山脈の現場では、プロジェクト開始以来、毎週土曜日に酷暑でも大雨でも一人黙々と活動を続けている。知人やSNSで活動を知った人が手伝いを申し出てくれることも増えてきた。雑草が生え殺風景だった場所も、この4カ月余りで少しずつ変わり始めている。秋元さんの絵画講座に通う小澤和夫さん(70)は、「凹凸の多い岩に漆喰を塗っていると『なぜ困難な場所に』と考えることも。それでも描きたいのは、絵に対して純粋な情熱がある証拠かな」。

草を刈る人、花を植える人、下地の漆喰を塗る子どもたち、通えないから寄付を申し出る者など、ここでも敦煌での経験と同じく、各自ができることを担っている。いずれは若いアーティストにプロジェクトのバトンを渡し、「私のことは誰も知らないけれど、プロジェクトは勝手に進んでいく…。そんな日を夢見ているんです」。

活動の様子は秋元さんのFacebookで随時公開。活動は毎週土曜午前10時?午後4時に株式会社想石敷地内広場(笠間市稲田4260-1)で。
問い合わせtel:090(2179)0302/秋元さん

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