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2018年4月2日(月)

沿道住民「私設エイド」

かすみがうらマラソン直前準備着々

土浦、かすみがうら両市で4月15日(日)に開かれる「かすみがうらマラソン兼国際盲人マラソン」は、コース沿道の住民らによる軽食の振る舞いや手描きの応援看板などの「私設エイド」も魅力の一つ。地元が大いに活気づく年に一度のお祭りを楽しみながら、全国各地から集うランナーの背を温かく押し続けている。

28年目を迎える大会は1991年1月にスタート。96年にエントリー1万人、2008年には2万人を突破するなど国内屈指の市民マラソン大会に成長した。

市街地から霞ケ浦湖岸沿いを走るフルマラソンコースは公式のエイドステーション(給水・給食所)に加え、私設エイドに手作りの漬物や飲み物が並ぶ。住民らの心を込めたおもてなしが、大会人気を支えている。

思いやりのごみ袋


前年から漬け込んだ梅干しやラッキョウの出来を確かめる薬師寺さんと宮崎さん

フルマラソン28キロ付近。かすみがうら市の薬師寺ふみ子さん(64)らが開くエイドは、1月開催だった大会初期の出来事が発端だった。家の前で応援していると「何か着るものありませんか」と、寒さに震える男性ランナーに尋ねられた。自宅に取って返し、ごみ袋に穴を開け即席の雨かっぱを仕立てた。「ありがとう」と再度走り出す後ろ姿を見送り、翌年からは事前に袋を用意。娘の恩師が走ると聞けば保護者や子どもたちも集まり、普段のどかな一帯がにぎわう特別な日が二十数年続いている。

当日は梅干しや甘酸っぱいラッキョウをはじめ、一口大のおにぎりやいなりずしなどを用意。近所や知人ら約20人が集まり「ラッキョウいかがですか、お水いかがですか」と声を張り上げる。「走る人に喜んでほしい。気持ちよく走ってもらいたい思いだけ」と薬師寺さん。共に勝手場を切り盛りする宮崎幸子さん(68)も思いは同じ。「いつもおいしいね」と言ってくれるなじみの人や初めての人。相手は違えど「ありがとう」の五文字に毎回感動をもらっている。

子どもも奮闘


手渡す飲み物の紙コップには応援メッセージを書き入れる

「どうぞ飲んでいってください」。昨年の大会、17キロ地点手前の国道沿いで、段ボール紙の看板を掲げた子どもたちがいた。これまでも声援を送っていたが、ある日テレビで見た別のマラソン大会をきっかけに「自分たちもやってみたい」と刺激を受け、スポーツドリンクやお茶を配った。

選手とハイタッチし、仮装ランナーの姿に笑い転げ、自分たちの応援を携帯ゲーム機に吹き込んで再生し続けた。晴れて気温が上がり用意した飲み物がなくなると、暑さにあえぐランナーのために家で水をくんで運んだ。

ランナーとのやり取りはほんの一瞬の出来事。選手全員に配ることはできないが、「応援の言葉だけでも届けたかった」と霞ケ浦南小の池野杏奈さん(9)。「看板の字、もっと目立つようにする?」。今年も、子どもたちが相談を始めている。

変わらない言葉

今や大会名物になった薬師寺さんらの私設エイド。体力面などできつく昨年で一区切りつけようと迷ったが、周りの後押しもあって決行。前の年に好評だった果物を出さなかったところ「今年はないんですね…」と少し寂しげなランナーに出会った。「何か申し訳ない気がしちゃったのよね」

今年は気合を入れ直し、漬物などの準備は万端。3月中旬からは家の冷蔵庫で恒例の氷作りを始めた。製氷機に水を入れ、数十個ずつを作ってストック。手間は掛かるが「大会当日が暑かったら」と考えるとやめられない。逆に気温が低く雨が降れば温かいお茶などが喜ばれる。「皆さんからの『ありがとう』にいつもじーんと来ちゃう。毎年変わらない一言なんですが、何かうれしくて続けちゃうね」

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