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2018年3月17日(土)

聞き手と作る、語りの楽しみ

お話グループひだまり代表 原田 聖子さん

養蚕の起源とされる筑波山麓の「金色姫」、牛久の名前の由来となった「牛になった小坊主」など、いろり端や枕元で語られた土地に伝わる民話の楽しさを知り、いつしか夢中になっていた原田聖子さん(55歳・土浦市在住)は、語り部としての勉強を重ねながら土浦市や稲敷市を中心に活動している。古い物語への純粋な興味や探究心はそのままに、語りを通じた多くの仲間や聞き手との出会いが、物語に厚みを加えている。


語りだけでなく、手遊びと共にわらべ歌も歌い伝えている

民話を語るときは舞台となる場所の風景はもちろん、登場する建物の間取り、辺りに吹く風や匂いまで感じさせることに心を砕く。だからこそ土浦市内の小学校で語りを聞かせたとき、「今の話ってアニメみたい」と言われたのがうれしかった。

子どもの頭の中にはカラフルな世界に登場人物が躍動する物語の世界が広がる。活動を行う中、数年前からは「100年後の土浦を、語りの街に」という壮大な夢を胸に抱くようになっていた。

「話は生きている」

1962年、長崎県佐世保市に生まれた。幼い頃は大金持ちになる、王子様と結婚するなどのハッピーエンドを迎える物語が大好き。中学では『赤毛のアン』や『若草物語』に夢中だった。大学卒業後は就職、結婚を機に茨城に転居。子どもが通う幼稚園や小学校で読み聞かせや人形劇は行っていたが、友人の誘いで始めただけだった。

転機が訪れたのは12年ほど前。民話の語りの発表会に出る仲間を応援した帰り道。見上げた空にきれいな虹が懸かっていたのを見て「民話の世界に誘われているのかもなんて、都合よく考えちゃって」。さっそく語り手の勉強会なども行い全国で200人ほどが在籍する「日本民話の会」に連絡を取り、月に数回東京に通いながら勉強し始めた。

当初は単に民話を暗記すればいいと単純に考えており、回数を重ねるにつれて話をそらんじることはできるようになったが、いざ発表の場に立つと観客からの反応が乏しく、無言の「早く終われ」という雰囲気を感じることもあった。そんなときは心がくじけて、帰路で涙した。会の先輩からは激励やアドバイスと共に「お話は生きている」と言われたが、本当の意味が分からずにいた。それでも語りを次世代に伝えることの責任感ややりがいが消えることはなく、いつか自分が住む土浦の街で生かしたいとの思いがあった。会員が集まれば「大人がそろって、やれ民話だ不思議な話だ妖怪だって…子どもみたいに夢見がちなことを話せる純粋な楽しさもあった」。

体感すること

地元のみならず、各地の民話の会のイベントなどに足を運ぶたびに新たな出会いが生まれる。昨年の初夏、長崎県生月島を訪れた際に、殉教した隠れキリシタンの親子を祭る「だんじく様」の話を地元住民から聞いた。悲劇的な話は語りにそぐわない、となんとなく避けていた話だった。地域の歴史資料などで事前の知識はあったものの、殉教の地で島の景色や吹き抜ける潮風を体感。住民からの話で、名も無き殉教者や隠れキリシタンたちが、弾圧されながらも希望を胸に生きた暮らしぶりが少しずつ見えてきた。

「語りの意味や使命を感じさせられた大きな体験でした」 生活の知恵や時代ごとの暮らしぶり、伝承を絶やすまいと努力してきた人たちの思いが息づく民話。独りよがりにならず、場所の雰囲気に合わせて語ることで「まるで聞き手と一緒に粘土細工を作っているように思えてくるんですよね」。

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