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2018年3月12日(月)

野鳥の暮らし、「人間と同じ」

観察歴60年以上 海老原 龍夫さん

自然豊かな牛久沼や周辺の田んぼなど、龍ケ崎近辺で観察できる野鳥は約200種。「鳥に迷惑を掛けない」を心掛け、愛鳥家仲間との観察や情報交換に余念がない。図鑑をこまめにめくってはその姿を目に焼き付け、偶然の出合いに備える。日課のウオーキングでも木々や空に目を向けて同行者までもが鳥に詳しくなるほど。落ちている羽根一つにも「何の種類だろう、体のどの部分かな」とワクワクが止まらない。

親鳥の愛情に感激


愛用の双眼鏡を手に。80歳での富士山登頂達成を目標に日々ウオーキングを欠かさない

龍ケ崎市に生まれ、活発だった幼少期は屋根に登りスズメのヒナを観察。自然の中で生き物全般に親しんだ。竜ケ崎一高時代は生物部に所属し、小鳥を飼っていた近くの洋品店主と鳥の話題で盛り上がったり、友人と二眼レフカメラで撮影に挑戦したりした。

荒れ地でコチドリを観察していたある日、巣から4〜5メートルほどの所に親鳥が飛び出し、翼をバタつかせた。けがをしたかと心配になって深追いし、親鳥も見失った。後に鳥に詳しい校長先生に尋ねると、外敵から卵やヒナを守ろうとけがを装う習性(擬傷)と教わった。わが子を守るけなげな姿に感銘を受け、「これではまっちゃったんだよね」。

趣味を通じた縁


龍ケ崎市周辺で見られる(1)コチドリ(2)コジュリン(3)メジロ(4)セグロセキレイ

卒業後は家業の商店の仕事に励む傍ら、野鳥の姿を追い続けた。1967年には珍しいコジュリンの繁殖を霞ケ浦湖岸の浮島で日本野鳥の会会員らと確認。会を通して知り合った愛鳥家らと趣味を楽しみ、時には家族と一緒に鳥を眺めた。

96年には市主催のバードウオッチング講座を手伝ううちに顔なじみになった受講生らと「龍ケ崎バードウオッチングクラブ」を結成。10年掛けて市内の野鳥調査などを行った。

市内の3小学校で行う出前授業では会員らが観察方法や気付かれずに撮影するこつなどを伝授。牛久沼で児童らと一緒に望遠鏡をのぞけば、「鳥ってこんなにきれいなんだ」と子どもたちに野鳥の新たな一面を提示。観察に併せ、地域の歴史や民話なども紹介してきた。

昨秋には多くの仲間や知人らの協力で『バードウオッチングの楽しみ』を自費出版。県南中心に約120種類の野鳥写真を掲載し、阿見町出身で日本野鳥の会会長柳生博さんから地元小学生まで60人以上に寄稿してもらった。

自身の半生をはじめ、弱ったトビを発見した高校生からのSOSや地域で見守ったカルガモ行進など、野鳥と住民とのささやかな出来事を掲載し、学校や図書館に寄贈。出版後、約50年前に越冬ツバメ観察で知り合った人の娘から連絡があるなど、野鳥観察が運んできてくれた不思議な縁を感じた。

若い頃に比べ野鳥との距離感は「そろりそろりと遠くから見守るように」変わったが、向き合い方は変わらない。「人間同士も親しくなろうとすれば名前を尋ね、どこから来たか、食べ物は何が好きか、どんどん知りたくなるでしょ」。これからの季節は街でツバメがさえずり、初夏には市内の飛行場付近でお気に入りのコジュリンが飛び回る。愛用の双眼鏡とカメラを携え、60年前と変わらず故郷の野山にレンズを向けている。

本を2人にプレゼント。はがきに住所、氏名、年齢、 電話番号を明記して〒300-0832土浦市桜ケ丘町7-10常陽リビング社「バードウオッチングの楽しみ」係まで(3月16日(金)必着)。

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