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2018年3月5日(月)

下妻式「居心地良い場所」人気

遊休地活用、市内に「たまり場」

約20年間空き地だった下妻市の中心市街地の一角が、徐々ににぎわいを取り戻しつつある。昨春オープンした国道125号線沿いの「Waiwaiドームしもつま」は使い勝手の良さが奏功し、2017年約4万人を動員。定住促進や中心市街地の活性化が各自治体で急務となる中、市民と行政が一緒のテーブルに着き、居心地の良い場所を皆で考える「下妻式プレイスメイキング」(居心地の良い居場所づくり)に注目が集まっている。


昨秋、Waiwaiドームで開かれたトニー・サッグスピアノトリオライブ

「Waiwaiドームしもつま」は、かつて商業施設だった中心市街地内の大規模遊休地を活用。主要施設は4つで、メーンは200インチのスクリーンと利用形態によって柔軟に使い分けられる全天候型の屋根付き多目的広場「Waiwaiドーム」。

週末にはフットサルやバスケットのゲームのほか、フラワーフェスやダンス発表、床絵、木材組合の展示会など、2017年は27の多彩な催しが開かれた。

母親向けの育児相談や子育て広場として開放されている地域交流センター「わいわいハウス」では、里帰りした元市民が子どもを遊ばせながら同級生らと旧交を温める姿が見られ、街づくり市民グループ「しもつま3高」運営の「かふぇまるcafe&studio」では有志が当番制でキッシュやシフォンケーキ、コーヒーなどを提供。東京五輪正式種目となったスケボーが楽しめるエクストリーム広場(パーク)には現在、北海道から大阪まで約2500人が利用登録している。

いずれの施設にも設計段階から市民がワークショップに参加し、行政側と利用方法を試行錯誤。筑波大学芸術系准教授の渡和由さんが提唱する「下妻式プレイスメイキング」を下敷きに話し合いを進めた。

施設を管理する市都市整備課の井上規さんによると、各施設はWi-Fi完備でドームは日曜に丸一日貸し切っても民間に比べ格安。規制が多い従来の「公園」ではなく「広場」としたため火気使用や自転車の乗り入れなどが可能で、イベントともなるとキッチンカーや屋台が出店。市民以外でも簡単な許可さえ取れば誰でも利用できるため、「使う人のアイデアが反映されやすい施設」だという。

発想の転換


(1)カフェ内は子どもたちの社交場に(2)母親らに人気の子ども服交換会(3)市内のスケボー人口は増加傾向

「ワイワイ」がある砂沼周辺地区は、長年市街地の空洞化や商店街の閑散化による人口流失が課題となっていた。「これだけの土地が中心部に残っている場所も他にあまり例がない。今まで弱みだった国道沿いの一等地が一転して強みになった」と語るのは、パーク導入に尽力した副市長の野中周一さん。数年前、砂沼フェスでスケボーに興じる子どもたちから投げ掛けられた。「下妻にスケボーできる場所があればいいのに」。ささいなつぶやきが、ずっと心に残っていた。

パーク内での利用ルールはスケボー愛好家の市民自身が作成し、できる子ができない子に基礎から手ほどき。塗装がはげた手すりのペンキ塗りや雪かきなどは「使っている皆さんが自主的にやってくれます」と井上さん。一昨年にスケボーのアジアチャンピオンが市内から出たことも追い風になり、評判を聞きつけ関東近県のほか東北や関西からも人が集まるようになった。

「シモツマ、サイコー」

パークは思わぬ“ギフト”も運んできた。昨年のGW、世界的に著名な「カウントベイシーオーケストラ」のジャズピアニスト、トニー・サッグスさんが子連れでパークに遊びに来た。その場で野中さん自ら出演を交渉し、昨年11月にライブが実現。緑があり、風が吹き抜け、車の流れがあり、人の流れがあるドームには600人超の観客が集まり、トニーさんは思わず「シモツマはニューヨークと雰囲気が似ている」と発言。

その後も「屋根付き」が幸いし台風で各地の催しが軒並み中止になる中で唯一ハロウィーンイベントが開かれ、12月には北海道日本ハムファイターズの少年野球教室で練習後にジンギスカンが振る舞われるなど、ドームは「全天候型」の強みを遺憾なく発揮した。

つながる場所


カフェは市民同士の「楽しいこと」が"化学変化”を起こす場所

空き店舗を改装した「かふぇまる」は先月中旬、開設1周年を迎えた。運営は高校生から年配者までが所属するまちづくり市民団体しもつま3高(住谷辰夫代表)。当番制のカフェのほか、マルシェや子育ての勉強会など多様な使い方が展開されている。

下妻に嫁いで7年になる小島智美さん(39)は、「スケボーがやりたい」と長女にせがまれカフェに顔を出すように。「街中に育ちも年齢も違う面白い人がたくさんいる」と気付いた。最近、隣接のスタジオで長年の夢だったダンス教室を開講。「子どもが成長してライフスタイルが変わった。ちょうど良い節目だったのかも」。

地元の下妻二高出身でマルシェを主宰する斎藤直美さん(39)は結婚後市内に戻り、「週末はよくかふぇまるで皆とばか話しながら飲んでいます。外に飲みに行くより断然楽しい」。

これまで都内やつくばで趣味のダンスを楽しんでいた草間達也さん(53)はホウレンソウ農家。「移動時間が短くなって助かっている」と話す。

市職員の青木大輔さん(43)は自宅にある世界中のボードゲームをカフェに提供。宿題を終えた子どもたちが遊んでいく光景が見られるようになった。「行政が整備し、市民が好き勝手に楽しんで使ってくれている。まさにたまり場の理想ですね」

アイデア続々

現在の課題は、使い方が自由なため利用方法がいま一つ市民に浸透していないこと。井上さんは「カフェの出店が増えればさらに人が集まるのでは」と話す。

朗報もある。市民からは「ドームで旧車展示のオフ会をやりたい」、「プロゲーマーがしのぎを削るはやりのeスポーツ大会を開きたい」「アニソンのイベントをやりたい」など、行政が思いもつかなかったアイデアが続々と寄せられている。

「トニーさんのライブをきっかけに、下妻ジャズフェスが定番になったらいいね」と野中さん。「導入の是非はあったが、まずはやってみることが大事。課題があれば、市民の皆さんと一緒に解決していけばいい」。井上さんも「行政はサポート側に回り、市民同士がアイデアを出し合って『関わりしろ』を増やしていくことが大事ですね」と話す。

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