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2018年2月26日(月)

傾聴で分かち合い、悩み共有

脳損傷友の会

病気や交通事故などが原因で、言語障害のほか注意力や思考力低下などの障害が起きる高次脳機能障害。軽度の打撲などでも記憶障害や感情のコントロールができなくなるなどの後遺症が残る場合もあり、本人も家族も違和感を覚えながら日常生活を送っているケースもある。つくば市内の病院内で毎月1回開かれている同障害の交流室では患者本人やその家族の悩みを共有。情報交換できる「駆け込み寺」として注目を集めている。

脳の損傷が原因で発症する高次脳機能障害は、外見から病状の有無を判断することが難しく、いわれのない非難や心ない対応をされることもある。症状の種類や程度が多岐にわたるため診断が難しいことや、病院から自宅に戻ってようやく症状に気付くなど、そのまま見過ごされてしまうことも多い。

主な症状は物事を覚えられない、怒りっぽくなる、以前と性格が全く違う、とっさに言葉が出ない、読み書きができなくなるなどで、介護を続けるうちに家族は疲弊。家に閉じこもって社会との接点を失い、鬱(うつ)状態になってしまう人も多い。最近では音楽プロデューサー小室哲哉さんの妻KEIKOさんが、くも膜下出血が原因で発症。「介護疲れ」が取りざたされて話題になった。

交通事故が原因で娘が発症した母親は、当時周りから「命が助かったんだから良かったじゃない」と言われ傷付き、治療やリハビリ法の有無も分からない手探りの日々を送っていた。「理解されないつらさは言葉で言い表せない。でも、逆の立場だったら私もそう言ってしまうかも」

気持ちも家も明るく


同会によれば、県内の高次脳機能障害者数は推定1万人。当事者と家族の心を前向きにするのは、「共感」や「同意」だという

脳損傷友の会いばらき(丹羽真理子会長)では月に一度、つくば市内にある病院併設施設の一角で家族同士の交流室を開いている。参加者の話題は日常の出来事や情報交換など。時折笑い声が響き渡ることもあり、その明るさに驚く人も。

医師やリハビリの専門家を招いた講習会や事例検討会だけでなく、料理やレクリエーション、コラージュ、俳句教室、旅行も企画し、日頃の介護生活に一息つくことができる。「ここは仲間同士が同じ立場で傾聴するピアカウンセリングの場。家族の気持ちが明るくなれば家の中も明るくなるでしょ」と丹羽さんは笑う。

同会は、県職員や医療・福祉関係者からの勧めがきっかけで、2004年に発足。先の見えない介護生活の中、病院やリハビリ施設などで知り合った家族らが会員となり、情報交換を行っていた。しかし発足から数年経っても障害を取り巻く環境に大きな変化はなかった。

そんな折、会の活動を知った当時の筑波記念病院リハビリテーション部長の協力で院内の一室を借りられることになり、5年前から会員以外も参加できる交流室を定期的に開催。「私たち自身、行き場のないつらさを経験したからこそ、日々の孤独と闘う人にもっと扉を開けたいと思った」と丹羽さん。

分かち合いで希望

「正直、同じ障害を持つ家族会のような仲間がいる人たちが、うらやましかった」と話すのは、自宅で長女(17)を介護する笹原晃江さん(43)。急性脳症が原因で長女が障害を負ったのは5歳のとき。一命を取り留めたものの、着替えや家の間取りを覚えるといったささいなことができなくなった。

夫や親類に励まされ協力を得ながらの介護生活。医師の診断は「発達遅滞」だったが、症状を考えると高次脳機能障害を疑わざるを得なかった。小5で入った特別支援学校でも同じ症状を持つ子には出会えず、リハビリでも大きな変化は見られないまま。障害者家族の集会などに出かけても結果は同じで「帰り道はいつも打ちのめされていました」。

やがて、「私が死ぬまで支えればいい」と半ば諦めにも似た決意をしたが、長女が中3のときに初めて高次脳機能障害と診断され、かねてから知っていた同会の門をたたいた。初めて娘と同じ障害を持つ家族と出会えた喜びは今も忘れられない。

「うちも同じ」とお喋りするだけで気持ちが楽になり、苦しみを分かち合える仲間から子どもの一人暮らしへのきっかけや就業など自立した事例を聞くにつれ、今年高校を卒業する長女の将来に希望が見えてきた。

一般社会の理解はなかなか進まないが、丹羽さんは「誰がいつ負うか分からない障害。少しでも疑いがあれば相談して」と呼び掛けている。交流室は毎月第2金曜午前11時〜午後2時、筑波記念病院トータルヘルスプラザ内で開催。予約制。

■問い合わせ
TEL:080(8430)3365/脳損傷友の会いばらき

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