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2017年11月20日(月)

美浦木原小「起業体験」5年目

働く、学ぶ、思いやる…

校内で育てたサツマイモで商品を開発し、実際に販売してお金の大切さを学ぶ起業体験活動「キッズカンパニー」が、美浦村立木原小学校(木内敦子校長)で始まり5年目を迎えた。「会社」を設立し、大人顔負けの事業計画で厳しい融資審査を通過した児童たち。勤労感謝の日を前に、自ら考えて企画し、働く意味を知る実践的な教育が注目を集めている。


融資審査会で厳しい質問に答える児童=10月6日、木原小体育館

11月3日、快晴の美浦中央公民館広場。来場者でごった返す産業祭の一角に「ちびっ子会社」が軒を連ねた。傍らで心配そうに見守る保護者をよそに、企画・立案した美浦村商工会青年部の鈴木聡使さん(39)は「儲けよりも働くことで『人のために何ができるか』を考えてほしい」。商品は昼過ぎには完売。最後の会社が売り切ると、大きな拍手が沸き起こった。

 

役割分担で成り立つ

5年前に始まったキッズカンパニーは週2コマ、総合学習の時間に行われる。6年生41人が四つに分かれ、春先に植え付けたサツマイモを使った加工品を販売する会社を設立。社長以下、経理部・営業部・商品開発部では役職ごとに専門家を招いた講習会も行う。

例えば営業部では心を込めた接客法や店の看板作りを村内のスーパー店長に学び、経理部は同じく村内に支店がある銀行の支店長に「原価」や「経費」など経済用語を習う。

二学期に入ると児童らは休み時間を削り、銀行から運転資金を受けられるか否かの審査会に向け商品管理や製作工程、店舗レイアウトなど事業計画のプレゼン資料を作成する。

喜び抑え、唇噛む


(1)産業祭当日は商品が飛ぶように売れた=11月3日、美浦中央公民館広場(2)事業計画を立案(3)秋には全校でサツマイモ掘り

10月初旬の融資審査会は、キッズカンパニー最大のヤマ場。この日のために想定問答の練習を積んできた児童らの表情は硬い。それもそのはず、プレゼンは銀行支店長を筆頭にスーパー店長、JA幹部、商工会青年部らとの真剣勝負で、「予定調和の質問」は一切ない。ずさんな事業計画なら子ども相手でも情け容赦ない「融資否決」が下される。

客に親近感を持ってもらうマスコットをデザインし、温かいポタージュを企画した会社に対し、食生活改善推進員協議会元会長の山岡つぎ子さんから主婦ならではの手厳しい質問が飛ぶ。「本番ではカセットコンロで温め続けるのね?煮詰まって味が劣化するし、この分量で200円は高いわ」。山岡さんは「厳しいようだけど、自分が客だったら…と考えてほしい。人様からお金をもらうって本当に大変なことだから」。

村内でバネ加工会社を営む中島竜樹さん(39)は「企画側」だが、娘の菜優花さん(12)はどら焼き会社の商品開発部長。審査会では商品ではなく想定外の「電源の確保」を問われ、答えに詰まった。当初「大人は意地悪だな」と思ったという娘に、「子どものうちに本気で悔しがって、正しく挫折することが大事なんです」と中島さんはわが子の成長を見守った。

この日融資が決まった2社は借用書を書いて資金を受け取ったが、カップケーキ会社は「値段設定が曖昧」で否決。社長の黒田斗雅君(12)は悔しさのあまり涙が止まらなかった。

6年生担任の長田圭史さん(39)は審査会後のホームルームで「今、二つの気持ちがこのクラスにあることを考えて」とだけ言った。喜びを爆発させる子も、泣きじゃくる子もいなかった。長田さんは言う。「キッズカンパニーは、同じクラスの仲間の気持ちを思いやる『心の成長の場』だったと思う。本当に、あれは良い涙でした」。

黒田君率いる会社は値段設定を変更し、翌週の再審査会で融資が決定。当日は他に先駆けて商品を売り切った。「勉強になったことは、失敗は全て社長である自分の責任で、成功は全部仲間のおかげだということです」

今年の総売り上げは4社で約22万円。うち1割は税金として来月村役場に納め、活動資金を借りた商工会青年部に配当金を配る。銀行に融資額を返済し、残った純利益は6年間の思い出が詰まった卒業アルバム代に充てられるという。

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