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2016年12月12日(月)

「みっともねぇ」生き方許さず

「六区」の礎築く 映画『浅草・筑波の喜久次郎』公開

かつて日本最大の娯楽街といわれた東京・浅草六区を築いた二人の男性は共につくば市出身。その一人、山田喜久次郎(北条生まれ)にスポットを当てた映画が一般公開されている。不遇な少年時代を経て東京に向かい、浅草の文化発展に尽力しながらも決して表舞台に立とうとしなかった喜久次郎の生きざまに感銘を受けた地元出身者らが、「芯のある筑波人を知り、人生の指針にしてもらえたら」と映画化が実現した。


宝安寺境内の山田喜久次郎記念碑前に並ぶ(左から)長沼誠監督、戸井智恵美、松平健、佐藤プロデューサー

物語は、厳しい経営の劇団を主宰する啓介が、脚本家の夢子と明治時代の浅草にタイムスリップしたことから始まる。たどり着いたのは、にぎわう神社の境内。いきなり暴漢に襲われ、夢子の後ろに隠れることしかできない啓介の前に一人の男が現れた。男は瞬く間にその場を収め啓介を一喝する。「女の陰に隠れてみっともねぇ!」。その男こそ山田喜久次郎(松平健)。破天荒なその生きざまや、共に浅草六区を娯楽街にしようと情熱を注いだ根岸浜吉(北島三郎)との友情に触れ、頼りなかった啓介が成長していく姿を描いている。

「科学の街といわれるつくばですが、明治の世に日本最大の娯楽街をつくったバイタリティーあふれる男の人生を通して、つくばには文化をリードする人が育つ潜在力があると伝えたい」と、同じくつくば市出身で本作の統括プロデューサーを務めた佐藤重樹さん。

「鉄砲喜久」と呼ばれた男

山田喜久次郎は1859年(安政6)、現在のつくば市北条の生まれ。10代の頃から幾度となく龍ケ崎や土浦に奉公に出るも気性の荒さから長続きせず、ついには郷里を飛び出す。東京で郵便列車の用心棒として無賃乗車の取り締まりなどを行っていた頃から懐に鉄砲を忍ばせており、付いたあだ名は「鉄砲喜久」。後に根岸興行部を興した根岸浜吉(つくば市小田出身)と出会ったのをきっかけに、共に大衆娯楽街・浅草六区の発展に尽力した。

若かりし頃に各地を渡り歩いたことや、歌舞伎役者・初代市川左團次の付き人を務めた経験もあって、いさかいの仲裁から商売の相談、選挙の応援など各方面で才能を発揮。天才浪曲師といわれた桃中軒雲右衛門や、水戸出身で後に横綱となった常陸山の下積み時代も支えた。

1928年(昭和3)に他界し、後に妻の多津子(お辰)が地元北条の宝安寺に寄進した記念碑や表石門は今も残っているが、併せて造った庫裏は「2012年の竜巻で残念ながら壊れてしまった」と住職の法雨(みのり)浩成さん。

“筑波人”が発案


喜久次郎が幼い頃遊んだといわれる宝安寺の境内

映画化を発案したのは、喜久次郎のけんかっ早い人間味や面倒見の良さにひかれたというつくば市出身の土浦一高OB。「喜久次郎を通してつくばの町おこしや浅草との文化的な交流を発展させたい」とアイデアを同OBの佐藤さんに伝え、制作へと動き出した。

配役には「面白い題材」と快諾した松平健や北島三郎ほか名だたる俳優陣がそろい、記念碑が残る宝安寺や一ノ矢八坂神社、北条大池、TXつくば駅前などで今年3月から撮影を開始。屋外ロケは好天に恵まれ、屋内ロケの日に雨が降ったことから「喜久次郎さんの後押しか」と現場も盛り上がったという。また、出演者が地元エキストラとの記念撮影に気さくに応じることも多く、終始和気あいあいとした雰囲気で撮影が進んだ。

明治男の生きざま

映画の中で若き日の喜久次郎は、弱きを助け強きをくじく庶民のヒーローを描いた芝居「幡随院長兵衛」に心揺さぶられ、生きる指針にする場面がある。その志から、浅草の発展を巡り当時の区長を留任させるよう東京市長に市民の声を代表して直談判したことも。そうした功績を誇示することなく、裏方に徹したことが周囲の人望を集めた。

「このところ老若男女に関わらず見苦しい生き方の人が増えている気がする」と佐藤さん。「そんな世の中に一石を投じる作品になれば。明治男が今の日本を見たら『みっともねぇ』って一喝するかもね」。

映画はシネプレックスつくばで公開中、12月17日(土)から土浦セントラルでも公開される。参考資料/後藤米吉著『浅草人物史』実業新聞社蔵版

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