常陽リビング社カルチャー教室ブログ
一面記事
イベント記事
グルメ記事
ショッピング記事
美容記事
ハウジング記事
バックナンバー
現在位置 : トップ > 常陽リビング一面記事 >おしゃれはバリアフリー
2016年10月31日(月)

おしゃれはバリアフリー

車いすでも簡単着脱の和服考案 浅倉早苗さん

つくば市在住の主婦・浅倉早苗さん(52)は、高齢や障害などで車いすを使用する人に、5分足らずで着せられる着物を考案。おしゃれ好きだった祖母が車いすになって着物を着ることを諦めた姿に一念発起し、誰もが外出したくなるバリアフリーのおしゃれを目指そうと工夫と改良に奮闘。各地に笑顔の花が咲き出した。


「着付けはあっという間でも仕上がりに妥協はしません」と浅倉さん(右)

「いかに自然に美しく見せるか苦心しました。2、3分あれば振袖も着られます」という車いす用着物は、上半身と下半身に分離。座ったままや寝たままでも正面から袖を通すことができるよう開口部が背面にある。背中や足元をボタンやマジックテープで留め、帯を前から回して、作り帯を背に差し込めば簡単に着付けが完了。腰や胸をひもで縛るなどの工程がなく、和装で気になる締め付けや痛みなどもない。

「服の上から着られるため、着せる方も楽」と浅倉さん。また、着付けのポイントともいわれる襟の合わせは固定されているため、着崩れの心配も少ないという。

祖母が「少女のように」

大学で芸術工学を学んだ浅倉さんは、卒業後、家電メーカーの商品デザインに携わった。職場では常にコンペ参加を促されていたため、結婚を機に退社してからも自然にデザインがライフワークになっていた。

そんなある日、老人ホームに入所した祖母が着脱や洗濯を考えた実用的な服ばかりでおしゃれを諦め、どこかふさぎこんだ様子だったことが気になった。「何とかしておしゃれを楽しむ手段はないか」と考え、思いついたのが着物だった。

車いすに座ったままでも着やすい形を考え、正面から袖を通せるよう着物の背にはさみを入れた。本人に気に入ってもらえるか不安もあったが、実際に袖を通した祖母はまるで少女のように喜んでくれた。「着物の背を切る時、見ていた家族はあぜんとしていました。でも祖母の喜ぶ姿に納得したようでした」。

一歩踏み出す背中を押す

その後、同じようにおしゃれを諦めている人がいるのではないかと、試作品を手に介護施設などを回り100人以上に試着を依頼。誰が着てもきれいに見えるよう、和裁士と打ち合わせを重ね、襟の合わせなどはミリ単位で変更したこともあった。

また、車いすの展示会に参加したり医師、介護士、義肢装具士などに話を聞いて障害者にも対応できるデザインを模索。一方で反物の糸から国産にこだわるなどクオリティーも重視。「車いすに座って着用するものだからこれでいいだろうという妥協はしたくなかった」。

ある日、試着してもらった80代の女性から孫の結婚式に着たいと依頼され、車いす用着物を貸し出した。後で感想を聞いてみると「周りからは何も言われなかった」と予想外の答え。初めは驚いたが「普通に着物を着ていると見られた証拠では」と自信に変えた。むしろ、何を着ればいいのか分からず式への参列すら迷っていたその女性の背中を押せたことがうれしかった。

利用者の声で進化


背もたれの上に出る帯も華やかに。フラットなタイプに付け替えることもできる

昨夏、株式会社として起業し、レンタルと販売を開始すると全国から注文が舞い込んだ。レンタルでも利用者のスリーサイズや障害に合わせて微調整を加え、帯飾りの位置を変えるなど手間を惜しまない。「期待に応えたいし、後で送られてくる写真はすてきな笑顔ばかりで報われます」。

介護施設などに着物を持参すると、たちまちおしゃれ談議に花が咲く。そのたびにさまざまなリクエストがあり、つまみ細工を駆使した髪飾りや和装に合うシューズカバー、筋力不足などで開いたり突っ張ってしまう足を固定する矯正襦袢などに利用者の声を次々に形にした。目指すのは自分が車いすになったときに楽しめる装い。「車いすだからって選択の幅が狭まるのはもったいない。おしゃれに壁はないですから」。

関連コンテンツ
Ads by Google


グルメムック「この店とまれ」
最新の一面記事
  1. 100年ぶり僧侶常駐「地域のために祈りたい」
  2. 「まだ見ぬ新種に出合いたい」
  3. 企業主導型保育所導入から3年
  4. 弥栄の山河、再び
  5. 山派?海派?さて、どっち?
注目の記事
  1. 千葉県柏市にある介護付き有料老人ホーム「サンシティ柏」での暮らしを垣間見る「無料昼食付きバス見学会」が、9月6日(金)同所で開かれる。
  2. 夏休み中の小中学生向けの催しが、8月18日(日)と24日(土)阿見町の予科練平和記念館で開かれる。
「常陽リビングニュース」最新記事
  1. 中3生対象「部活動体験会・見学会」
  2. 土浦の花火弁当味見しませんか
  3. 100年ぶり僧侶常駐「地域のために祈りたい」
  4. 住宅設備メーカー6社勢ぞろい
  5. 不要な子ども服「回収します!」
つくばスタイルBlog
つくばエクスプレス沿線地域の魅力あるライフスタイルや地域情報をお届けします。
茨城イベントカレンダー
「常陽リビングニュース」アクセスランキング