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2016年10月3日(月)

入れない、捨てない、拡げない
えっ、これも特定外来生物!?

持ち帰ると法律違反

筑波山麓や霞ケ浦でここ数年、生態系に重大な被害を及ぼす恐れのある特定外来生物の目撃情報が相次いでいる。農作物などへの影響も懸念される一方で一般の認知度は低いまま。筑波山地域ジオパーク認定を機に、専門家は「入れない・捨てない・拡げない」の三原則を守るよう呼び掛けている。

アニメが発端?


(1)アライグマ(2)筑波山登山中、愛らしい声でさえずるソウシチョウも特定外来生物。ウグイスなど在来種の餌を食べてしまう(3)ウシガエル(4)アメリカザリガニは積極的な防除が急がれる緊急対策外来種(5)2016年8月に指定されたコウライギギは中国・ロシア原産

筑波山麓で里山保全活動を行っているNPO法人つくば環境フォーラム代表の田中ひとみさんは今春、人家や商店が軒を連ねるつくば市君島の市道でアライグマの轢死体を見つけた。

北米や中南米原産のアライグマは、1970年代以降アニメの影響でペットブームに。つぶらな瞳と縞模様の尻尾に人気が高まったが、天敵がなく雑食性で成長と共に攻撃的になるため「捨てられたり逃げ出した個体が野生化し里に下りたのでは」と田中さん。手先が器用なため周辺農家にとっては困り者。2016年8月には宝篋山周辺にあるスイカ畑が荒らされ、中身がくり抜かれた状態で発見された。

捕獲したアライグマを行動調査している茨城県自然博物館によると、アライグマは周期的に生息地を徘徊し空き家などに潜むことも。年に4〜6頭出産するなど繁殖力が強く、県では平成28年3月30日〜平成33年3月31日の期間で、第2次計画に基づき防除が実施されているが、今春の分布状況で県南は依然として「防除重点地域」のまま。同館学芸員の後藤優介さんは「畑や家庭菜園には柵を造り、見つけたら市町村の担当窓口に連絡を」と注意を呼び掛ける。

いたちごっこ

アライグマ以外にも身近な外来種が山麓周辺の田んぼを席巻している。戦後、食用として養殖されたウシガエル(特定外来生物)は日本固有の在来種を食べてしまい、ウシガエルの餌として持ち込まれたアメリカザリガニ(緊急対策外来種)はあぜ道に穴をあけ田んぼの水を抜いてしまうことも。塩ビ管など簡単な仕掛けで捕獲できるが、数が多すぎていたちごっこの状態。

後藤さんは「例えば特定外来生物を捕まえて家で観察すると違法。理科の実験や身近な観察会などでも大人自身が気を付けて」と警鐘を鳴らす。

根絶の気配なし


たくさんのエビに交じって外来魚も大漁=かすみがうら市根山船溜

霞ケ浦では一時期に比べブラックバスやブルーギルの数は減ったが、ここ数年アメリカナマズ(チャネルキャットフィッシュ、特定外来生物)が急増している。

かすみがうら市内で水産加工業を営む安部秀男さん(75)は、この道60年のベテラン漁師。以前は岸辺の定置網で佃煮用のエビやハゼを獲っていたが、肉食魚が増えてから漁場は沖合に移った。ある日の漁ではふ化して1〜2年のアメリカナマズの稚魚が大量に水揚げ。法律違反になるためリリースできずキロ当たり30円で行政に引き取ってもらった。

茨城県自然博物館主席学芸主事の土屋勝さんは、「アメリカナマズは導入経路も不明。胸びれや背びれの鋭いトゲで漁師の手や網を傷つけるなど被害も出ているが、根絶は厳しい」との見方を示す。

こうした被害を一般市民が実感し始めると、「すでにその土地に定着したとみるべき」と後藤さん。しかし、生き物自体に罪はない—。「外来種が地域の中で邪魔者にならないよう一人ひとりが責任ある行動を取り、『入れない、捨てない、拡げない』を守ってほしい」と呼び掛けている。

▼関連記事
外来種「Youはどうして日本へ?」

【特定外来生物】
外来生物法で指定された132種類。生態系や農林水産業などに重大な被害を及ぼす恐れがあるため飼育・栽培、運搬、輸入、野外への放出、譲渡などが規制。違反すると最高で懲役3年、罰金300万円(個人)または1億円(法人)が科される場合がある。

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