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2016年9月26日(月)

患者同士が企画・交流する月1回の「難病カフェ」

社会に踏み出すきっかけの場に

難病を抱える人が気軽に集って情報交換し、日常生活の向上を目指そうという「難病カフェ・アミーゴ」が、2016年5月に発足。毎月1回、水戸とつくばで交互に開催している。立ち上げたのは美浦村在住の桑野あゆみさん(44)と、水戸市在住の吉川祐一さん(52)。共に難病を抱えながらも前向きに仕事や社会とかかわる中、いまだ声も上げられず苦しんでいる難病患者を後押しできればとカフェの企画を練る。

「アミーゴ」はスペイン語で「友達」の意味。季節を取り入れた楽しい集まりにしようと、毎回ちょっとしたイベントを企画。先日、水戸で開かれた5回目のカフェでは「お月見だんご」を皆で手作りし、それを味わった後でフリートーク。雨にもかかわらず参加者は過去最多の19人。初めは遠慮がちだったが、司会進行の吉川さんと桑野さんが水を向けると少しずつ日ごろの悩みなどを話し出した。

「人と同じようにできないことが周りの人に分かってもらえない」「主治医が変わるので困る」「前向きに考えないと何もかも悪い方に向いていく—」

難病はその名の通り完治が難しい病気。参加者の病気もさまざまで、ある日突然発症する。「それだけに、誰にでも発症する可能性はあるといえます」と桑野さんと吉川さん。二人とも発症時には「なぜ、自分が?」と自問自答した。

受け入れて生きる


「気軽に参加して悩みを語り合いましょう」と桑野さん(左)と吉川さん

桑野さんは宮城県仙台市出身。高校を卒業して仕事に就き、一人暮らしをしていた26歳の時に突然、激しいめまいと吐き気、耳鳴りに襲われ病院へ。耳鼻科で処方された薬を飲んで様子をみたが良くならず、眼球にも異常が出て眼科、そして神経内科へ。やがて手がしびれて入院し、多発性硬化症と診断された。幸い仙台市の総合病院に専門医がいて診断は早かったが、治療は薬で進行を遅らせるだけで治る見込みはない。

当時は結婚も諦めたが、病気を含めて受け入れてくれたのが現在の夫。2003年、結婚を機に美浦村に転居したものの、茨城県内には専門医がいないため今も仙台まで通院している。「実家の祖母と父の顔も見たいし運転も好きなので、今のところ通院はさほど苦にはなりません」。

一見、難病を抱えているようには見えない明るい笑顔。それでも、11歳と8歳の娘を出産する前後は1日おきに自分で注射を続け、2年前から経口薬に変更。今も体温が上がるとめまいなどの症状が出るため子どもと一緒に外で遊ぶのが難しい。そんな不自由はあっても、幼いころの母との離別や思春期に引きこもったつらい経験からか冷静に病気を受け入れることができ、むしろ自分のせいで娘たちの将来を左右したくないと心掛けている。

理解不足と社会参加の壁


和気あいあいと会話が弾んだ「月見だんご」作り(水戸で)

茨城に来て多発性硬化症友の会に入会してすぐ役員を任され、2年前から茨城支部支部長に。同時に茨城県難病団体連絡協議会に参加して「いばらきUCD CLUB」(炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎の患者・家族の会)事務局長の吉川さんと出会い、若い患者が外に出るきっかけの場をつくろうと二人で考えたのが「カフェ」だった。

吉川さんは、20歳を過ぎた学生のころクローン病を発症。潰瘍による下痢や腹痛で頻繁にトイレに行くため仕事や生活に支障を来す。そんな病気を話した上で就職できたため、会議中にトイレで席を立っても周囲に理解されている。

「仕事に就けない人も多いと思いますので、まずはカフェに参加して情報交換しましょう。カフェはまだ歩き出したばかり。みんなで方向を探りましょう」

水戸でのカフェには親子で難病だという高齢の母と息子が参加。歩行も不自由な母の介助をしながら家事をこなし、やっと就いた事務の仕事をしているという男性は、行政の支援制度の充実を訴える。

次回の難病カフェは10月16日(日)つくば市ふれあいプラザで開かれる。午後1時半〜4時。参加無料、予約不要。
■問い合わせ
TEL:090(2986)8198/桑野さん

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