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2014年11月10日(月)

落語の極意は共感力

アマチュア落語家らく塾亭らく之 御子柴 和之(みこしば かずゆき)さん

特別支援学校教諭でアマチュア落語家の御子柴和之さん(土浦市、51歳)は、立川流真打・立川志らく主宰の社会人対象落語塾「らく塾」に入門して12年。亭号「らく塾亭らく之」として10年前から美浦や牛久で落語会を開き、高座を重ねながらファンを増やしている。2014年11月16日(日)には牛久市で独演会を開催し、立川談志が得意とした「舟」や志の輔が十八番とする現代落語など大ネタに挑む。


自作の高座でけいこに励む

自宅稽古はご近所への配慮からご法度。電車内ではぶつぶつと台本を読み、週末は公園やカラオケボックスで通し稽古。口数は決して多くないが、こと落語となればよどみない。

「志らく師匠の教えで一番衝撃的だったのは、客を笑わせようと思えば思うほど落語はどんどんつまらなくなっていくということでした」

◇   ◇   ◇

高校2年生の頃、男女の恋愛や女性の誘い方など現代風のマクラからネタに入る春風亭小朝の話芸に引き込まれ、「三味線、座布団、古くさい」というイメージが一変。ラジオやテレビの落語にかじりついた。

明治までにその原型ができた古典落語。
一流の噺家にかかれば人物や情景がありありと目に浮かび、「噺の筋を知っていてもつい笑ってしまう」のが不思議だった。

高卒後、進学した教育大学には落語研究会がなかったため他大学の落研に入部。
人生最初のネタは、体調を崩した和尚が医者の診察を受け、ふと問われた専門用語を知ったかぶりしたことから始まる「転失気」。
手本のテープを聞いてノートにせりふを書き写し初の発表会を迎えたが、ライトを浴びてしゃべり始めると頭が真っ白になった。

その後、勉強との両立が困難になったため落研をやめ、卒業後は特別支援学校に就職。それでも落語や芝居好きは止まらず休日には上野鈴本演芸場や浅草演芸ホール、新宿末広亭など定席に通い詰めた。

◇   ◇   ◇

転機は38歳の時。
ある劇団のワークショップに参加した折、稽古仲間から立川志らく主宰の社会人向け落語講座「らく塾」に誘われた。

「人を演じる面では芝居も落語も同じ」と落語の世界に出戻ったものの、開口一番志らく師匠の手厳しい一言が飛んだ。

「目的は何だい?」
意味が分からずきょとんとしていると、「基礎から学ぶのか、それとも職場の宴会でウケたいだけかい?」。

◇   ◇   ◇


台本は師匠からのダメ出しで真っ赤

もちろんプロの洗礼を受けようと前者を選び、まずは与えられたネタを練習。
1カ月後師匠の前で披露したが、酔っ払いの亭主を出来た女房が叱る場面では聞く人が引くほど真剣に怒りすぎ、思い出しながらのセリフは余計な間をつくった。
「酔っぱらいが暗い。もっとテンション高く」「女房が『うちへけえってきて』とは言わない」「車夫は威勢よく。でも、後ろ向きに話し掛けたら端席まで聞こえない」と、20以上ものダメ出しが返ってきた。

◇   ◇   ◇

落語の基本はリズムとテンポ。
短時間で笑いを取るお笑い芸人の突っ込みとは違うテンポの良い掛け合いや、会話に仕込んだ「小さなくすぐり」を丹念に積み重ねてリズムをつくることで、言葉の「意味」よりも深い所で客と通じ合える。

喋り疲れからだれてくる会話を生き生きと表現し、登場人物のキャラクターと性格を徐々に浮き立たせ客席との波長が合えば、たとえオチを知っていても、同じ話を何度聞いても面白い―。

わが意を得たりとひざを打つと、「だから言ったじゃないか。笑いは後からついてくるんだよ」と師匠は言った。そして、あまたの名跡の名演を真似していた自分に「誰かのコピーはダメ。落語を通して己の背負ってきた人生を語るんだよ」と続けた。

それは、今は亡き家元・立川談志の言葉だった。

◇   ◇   ◇

12年目のらく塾ではけいこだけでなく落語論も学び、「有難いダメ出し」で真っ赤になった台本を手に練習に励む。夏休みには小中学校で落語教室を開き、笑いと共にコミュニケーション能力や話し方も伝える。
そして落語会では、「少数を狙った大ウケは独り善がり、全員に笑ってもらいたいのは客にこびている証拠。間を取って6割」と心掛け、世知辛い世の中や物憂い日常を一瞬でも忘れさせるような噺を届けている。

らく塾亭らく之独演会は2014年11月16日(日)午後2時から牛久市中央生涯学習センターで開演。入場無料。

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