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2014年3月03日(月)

「好きなコト」はとことん続ける

作曲家&学習塾代表 河原 利彦(かわはら としひこ)さん

石岡市などで学習塾を開く河原利彦さん(土浦市在住、52歳)は、1990年代のアイドル全盛期に多数の楽曲を提供した作曲家の顔を持つ。洋楽にひかれ、音楽で生きようと夢を追った人生を切り開いたのは好きな事をとことん追求する好奇心。バンド活動やアメリカ留学、就職を経て音楽の道にたどり着くまでには挫折も経験したが「あきらめない気持ち」が新たな道につながった。そんな夢を追う気持ちを、今は子どもたちにさまざまな形で伝えている。


「子どもたちに夢を与えることを大切にしています。そのためには自分が夢追い人じゃないとね」と河原さん

どちらかといえば部屋にこもって一人で過ごすことが好きだった小学生のころ、当時のアイドルグループ「フィンガー5」のとりこになりその音楽にのめり込んだ。

レコードを集めてみるとマイケルジャクソン率いる「ジャクソン5」のフルコピーだと知り、外国の曲へと興味が傾いた。
そして中学2年の時、ビートルズのテープを初めて聴いて衝撃が体を突き抜け、以後、洋楽にはまり英語の歌詞内容が知りたくなった。

「当時のレコードには訳詩が付いてなかったので自力で調べました。興味の無かった英語がそれで大好きになりました。後で考えればそれが良かったんですね」。

◇   ◇   ◇

中学3年になると学校の先輩とバンドを組み、オリジナル曲を作ってはコンテストに応募し賞を総なめ。
「ヤマハのポピュラーソングコンテストでも地区優勝しました。でも、学校の音楽の成績は2。楽譜も読めなかったので曲作りはもっぱら鼻歌でした」。

高校生になると演奏を録音するための電気関係の技術にも興味を持ち、大学は電気工学科を専攻。
その半年後には音楽で培った自分の語学力を試そうと単身でアメリカに留学。自分の語学力だけを信じ、右も左も分からないまま過ぎたアメリカ体験は今も生きる原動力となっている。

◇   ◇   ◇


六畳一間で曲を作っていた25歳のころ。悩み、落ち込みながらも好きな音楽は捨てられなかった

4年後、光学メーカーにエンジニアとして就職。
しかし、会社員で人生を終える自分の姿を想像すると耐え切れない気持ちになり、「3日後にはもう辞めようと思いました。まともにやった仕事は外国人が来客したときの通訳くらいです」。

勤めながらも音楽への夢を捨てきれず、給料はすべて楽器や機材に注ぎ込み「必ず自分の曲を世に出そう」と心に決めた1年後、会社を退職。

六畳一間のアパートで夢に向かってスタートを切ったが、親にも相談せず勝手なことをした後ろめたさから苦しくても弱音をはけなかった。

そして夢と生活のために始めたのは、英語を生かした塾講師のアルバイト。
当時は時給2500円の高給で1日数時間働けば余裕で生活でき、先の見えない作曲家への夢を追い続けることができた。

◇   ◇   ◇

曲の売り込みを続けた3年後、25歳でついに転機が訪れた。
某レコード会社のディレクターから声が掛かり、当時の若手歌手・清水宏次郎の新曲プレゼンに参加。

1990年に念願の作曲家デビューを果たし、その後、アニメのサイレントメビウスのイメージソング「STRUGGLE FOR LOVE」は初シングルCDとなり、当時の人気アニメのヒットチャート10位台に上昇。
さらにアイドルの楽曲も担当するようになり、少年隊の「君がいたから」がCD発売され、松田聖子に提供した「Yes No No 」はCMソングに起用された。

しかし、アイドルの楽曲を担当するころから自分のやりたかった音楽からかけ離れ、業界の現実と裏表を知るにつけ意欲が薄らいでいった。
同時に、子どもたちを育てる学習塾にやりがいを見出し、故郷・石岡に開設。

◇   ◇   ◇

今でも某大手音楽事務所に所属し、依頼があれば曲を書くが、メーンは塾長としての仕事。

毎朝4時には起床し、早朝から全国の子供たちにネットを通してコーチングするのが日課。ネットを使った授業も行い、ユニークな教材も開発・考案し、書籍も多数出版している。

「興味を持ったことは何でも勉強します。それが何倍にもなって必ず自分に返ってくるし、それまで見えなかった素晴らしいことを知る近道になるんです」

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