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2013年4月15日(月)

紙と活字文化を後世に

つちうら古書倶楽部代表 佐々木 嘉弘(ささき よしひろ)さん

関東最大級規模の古書店が去る3月31日、JR土浦駅西口近くに開店し大勢の古本ファンが詰め掛けた。運営するのは「つちうら古書倶楽部」代表の佐々木嘉弘さん(58)。10年ほど前から大規模な古書店を夢みて構想を練り、諸事情が整って仲間に声を掛け実行に踏み切った。学生時代から本に親しみ、脱サラして古本業を始めて29年目。「紙と活字文化の継承に役立てれば」と忙しく店頭に立つ。


「じっくり、ゆっくり宝物を探してください」と佐々木さん

売り場面積825平方メートルの広大な空間に多種多彩な古書が並ぶ店内。オープン初日は開店前から大勢が詰めかけ、その反響の大きさに驚かされた。

「メディアで取り上げられたおかげで、まったく知らない人から頑張りなさいよと励ましの電話が来たり新聞を見て遠くから会いに来てくれるなど、なんとも感激でした」

29年前、妻の実家の空き店舗を利用してわずか2坪の店からスタートした古書家業。50代後半での夢の実現は、感慨深いものがある。

出身は宮城県。読書家だった兄の影響もあって学生時代から本に親しんだ。地元の大学受験に失敗し、上京して浪人生活に。しかし、好きな作家の影響かいつしか学生運動に身を投じ、受験勉強はそっちのけ。見かねた親戚に声を掛けられ、おじが経営する御徒町の大手ゴルフショップの手伝いを始めた。

一時のアルバイトのつもりが販売実績をめきめき伸ばし、やがて正社員に。販売のコツはもとより、客との信頼関係を重視した手腕で数億円の目標を達成したことは今も自身の誇り。やがて30歳で古本業に転じたときの原動力にもなった。

◇   ◇   ◇

1985年(昭和60)、「学生が多い街だから」とオープンした2坪の古本屋「れんが堂」は目論見通りたちまち人気を集め、数年で2階建てに。その後、土浦駅前に商業ビルができると支店を出店。近くに市立図書館の移転オープンの計画も出てきて、「駅周辺が本でつながれば」と大規模古書店への構想を膨らませていた。

そんな中、2年前の東日本大震災で本店が被災し支店が経営の柱となったが、ビル内の大手スーパーの撤退が決まり跡地には市役所の入所が決まった。

やむなく移転先を探していたときに知り合いから紹介されたのが、駅から程近い場所にある約250坪の空き店舗。移転は想定外だったが、理想的な広い空間を見て「これは長年の夢を実現するチャンス」と機が熟したのを感じた。

さっそく古書組合に所属する仲間に声を掛け、地元茨城ほか東京や神奈川、埼玉、千葉、栃木、福島など21の業者が賛同し出店を決めてくれた。それも二十数年来の付き合いがあってこそだと実感している。


さまざまな書籍がずらりと並ぶ店内

29年前の開業以来足しげく東京・神田の古書市場に通い、先輩諸氏の仕事ぶりを見て古書業のノウハウを身につけてきた。

「何を仕入れて何を売るか?」。時代や流行、ファンの気持ちを読み取り先見の明を鍛えていく。安く仕入れた本が思わぬ高値で売れることもあれば、逆に大損することもある世界。時には「蔵に眠っている書籍を処分したい」と呼ばれて貴重本に出会うこともあるが、それも目利きでなければ価値が分からない。

「経験と勘が大事。常に勉強していないと、この商売は難しい。私もいままでずいぶん高い授業料を払ってきましたよ」と苦笑い。

今も毎日のように持ち込まれる古書や雑誌の買取りにも目を研ぎ澄ませ、その一方で「引き取らなければただのごみになってしまう」と本への愛着をにじませる。

◇   ◇   ◇

現在、店内に並ぶのは文学全集や歴史書、和本、地方史、古文書、文庫、コミックなどあらゆるジャンルの書籍や雑誌など約30万冊。

「本離れの時代といわれますが、やっぱり本のにおいや手触りなどはいいもの。捨てるのは簡単ですが、なるべくなら生かしたい」。

かつて本多勝一に傾倒し、松本清張にのめりこんで通勤時は必ず2、3冊の本を小脇に抱えていた読書好きは今、活字文化の継承を願いながら「できれば本の街・土浦といわれるように」と、7月、11月にも古書まつりを実施する予定。

問い合わせ
029(824)5401/つちうら古書倶楽部

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