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2013年1月21日(月)

続けることで見えるセカイ

2012年ラート全日本選手権で総合優勝した 高橋 靖彦さん (たかはし やすひこ)さん

ドイツ発祥のスポーツ「ラート」で活躍する筑波大学体操部の高橋靖彦さん(27)は昨年末、つくばで開かれた全日本選手権で国内唯一の大技を成功させ総合優勝。来夏アメリカで開催される世界大会に挑む。一度は競技生活の第一線を退き仕事に就いたが、自身の可能性に懸け大学院に進学。「体育館の遊園地」と表現するラートの魅力を広く知ってもらおうと、地域での体験教室などへ活躍の場を広げ、大きなリング(輪)で新たな人の輪も広げている。


「運ぶ時は分解してバウムクーヘンのような形にするんですよ」と高橋さん

ラートは元々ドイツ生まれの子ども向け遊具で、鉄製の2本の輪を平行につないだ器具。上手に回るコツは力まず慣性に従うこと。ベルトで固定した足の力点を微妙に変えるとまるで意思を持ったように弧を描き、日常生活では味わえない景色が広がる。

◇   ◇   ◇

秋田県出身で幼いころから野球少年だった高橋さん。高校では当然のように甲子園を目指した。夢はかなわなかったが、幼少からコンプレックスだったきゃしゃな体つきが、高校2年の時飛躍的に急成長。「もっと早く成長期が来れば」と悔しかったが、同時に人体の不思議も感じた。

卒業後は一浪して成長段階ごとの栄養学やトレーング法に興味を抱き筑波大学体育専門学群に進学。野球部に入ったが、浪人中に息抜きのサッカーで複雑骨折していた足首がネックとなった。完治したはずが長時間練習すると圧力が加わり痛みがじわりと襲ってきた。裏方に徹してチームを支える道も考えたが、「中途半端に続けると仲間に迷惑が掛かる」と自ら身を引いた。

野球でできた人のつながりが薄れると恐れたが、つらい決断をした。

◇   ◇   ◇

ラートと出会ったのはそれから数ヵ月後。

「すごく面白そう。でも側転も満足にできない自分には絶対できない」と思ったが、体育館で優雅に回る姿に一目ぼれし、ラートのほかGボールや組体操などを行う体操部に入部。

皆で演技構成を考え一つの作品の完成度を高めていくところに野球部のナインにも似た連帯感を感じ、上からの指導ではなく学生主体の運営も新鮮だった。

最初の大会で予選落ちした頃には、「ラートって難しいけど、面白い!」に変わった。

◇   ◇   ◇


多彩な技はさながら「遊園地のアトラクション」=筑波大第2体育館

ラートの魅力は何と言っても「普段見られない景色」が見えること。たとえバック転ができなくても、ラートの力を借りればその景色も味わえる。

試合ではラートの2つの輪が接地したまま演技を競う「直転」、コインが転がるように片輪だけで回る「斜転」、リングを転がし助走から跳ぶ「跳躍」の3種目で争い、いずれも技の難易度や美しさを競う。

3年次までは自分のペースで練習し、どちらかといえばラートを「楽しむ」ことが優先だったが、学生生活最後の年にはすでに就職も決まっていたこともあり、「思い出づくりに良い成績を残そう」と練習に打ち込むと予想以上の上達を感じた。

「今ごろなぜ?」という驚きと同時に、成長期が遅かった自身の体を思い出し納得。
2008年暮れの全日本選手権で上位入賞し、翌年の世界選手権への初出場が決まった。社会人となっての初挑戦は振るわなかったが、練習次第で本場の選手にも十分勝てる確信を持った。

しかし、仕事をしながら週末だけの練習では上は望めない。翌年の世界大会への出場が決まると、大学院進学の腹をくくった。

◇   ◇   ◇


来年の夏、アメリカでの世界選手権へ挑戦

現在は大学院で体操コーチングを学びながら、子どもたちにさまざまなスポーツを体験してもらうNPOでの活動や児童館、洞峰公園での体験会なども開きラートのすそ野を広げている。

昨年末の全日本選手権では、「跳躍」の技で完成までに1年近くかけた「後方伸身宙返り2回ひねり」を日本人で初めて成功させ、文句なしの総合優勝。来夏の世界選手権への挑戦に向け練習を続けている。

コツコツと練習を重ねてある日突然できるようになった大技も、指導を通じて広がっていく地域での活動も、大事なことは目の前のことに一生懸命取り組み続けること。

そんな「遅咲きの花」が、いつしか人と人をつなぐ地域の輪になっていく。




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