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2012年7月9日(月)

やり直しの人生を後押し

薬物依存症者の回復を支える茨城ダルク代表 岩井 喜代仁(いわい きよひろ)さん

薬物依存者の回復を目指す民間リハビリ施設「茨城DARC(ダルク)」代表の岩井喜代仁さん(結城市、65歳)は、貧しさと荒れた生活から薬物に手を染めすべてを失った。しかし、茨城ダルクに入寮し多くの人の支えがあって45歳から人生を再スタート。同じような過ちを犯してほしくないとダルク入寮者と向き合う一方、中学・高校などでの講演活動にも力を入れている。


「生きるために相談に来てほしい」と呼び掛ける

茨城ダルクは1992年7月、創設者の近藤恒夫さんが開設。現在は覚せい剤やシンナーの依存から立ち直ろうとする10代から50代の男性約30人が、共同生活をしながら「薬物をやめ続けるため」のプログラムに取り組んでいる。
開設と同時に施設長を任されて以来20年間、関東・甲信越地域の中学・高校で生い立ちや薬物依存・獄中体験などを語る講演は2500回を数える。

◇   ◇   ◇

1947年京都府生まれ。貧しい家庭で育ち中学を出てすぐに働いた。タバコを吸ったり素行の悪さで逮捕され少年院へ。仕事をなくし、18歳で暴力団に誘われた。23歳で組長になると「もう抜け出せない」と腹をくくり、資金を捻出するため覚せい剤を売るようになった。
そのころ出会ったのが、ダルク創設者の近藤恒夫さん。当時、近藤さんは覚せい剤使用者で、いわば上客だった。その近藤さんに勧められて一度きりのつもりがすぐにとりこになった。
頭の中は覚せい剤のことでいっぱいになり、友人、仕事、妻と3人の子どもの順に切り捨て、33歳の時に周囲から逃げるようにして古里を去り、全国各地で薬を売り歩いた。
そうして40代で再び警察に逮捕され、懲役3年、執行猶予5年の刑に。裁判所からの帰り、覚せい剤の幻覚に苦しむ中、ダルクを創設した近藤さんの記事を週刊誌で読み、わらをもつかむ思いで連絡を取った―。

◇   ◇   ◇


高校で体験を語る岩井さん(6月・県立牛久高校で)

東京・日暮里にある東京ダルクで久しぶりに再会した近藤さんは、薬を絶って心身の健康を取り戻し、厳しくも優しく迎えてくれた。そしてすぐに連れて行かれたのが結城市の茨城ダルクだった。
薬を絶つ12ステップがあるプログラムは、ダルク・自助グループでセラピーミーティング、分担して行う掃除や洗濯、イヌの散歩、食事の準備、運動やレクリエーションなど日常生活の楽しさを体験する。自らそのプログラムを実践しながら施設長として他の人の世話をした。

5年が経って責任感の中に張り合いを見いだしたころ、離れていった3人の子どもたちと和解できた。特に次女は2年間ダルク家族会に携わるなど陰ながら応援してくれた。
8年目には薬から立ち直った男性が女性を連れて結婚の報告に訪れ、目頭を熱くしたことも。
52歳の時に県内のある高校で講演したとき、講演後一人の女子生徒が「岩井さんの命は私たちの、そして社会の宝物です。大切にしてください」と声を掛けてくれて逆に感動した。以来、誰かの役に立つ命なら大事にしようと心に誓った。

◇   ◇   ◇

薬物依存回復には24時間ケアできる施設が必要。そのための知識を深めようとスペイン・サンタンデル・アルゴミリヤの薬物依存回復施設プロジェクト・オンブレで学び、その後日本国内10カ所のダルク開設に尽力。
女性シェルター代表も兼務し、水戸刑務所では7年間覚せい剤教育を行った。
そんな地道な活動が認められ2年前に県精神保健福祉部長賞、今年2月には同県知事賞を贈られた。

45歳から人生をやり直し、親身に世話してきた100人を超える若者の中には残念ながら自死する人もいる。
「最近は単なる薬物依存症者は少なくて、何らかの精神疾患を抱えてくる人が多い。そのためダルクにいながら病院に通院したり、処方薬が手放せない人もいて予想できない事件を起こすこともある」と人も資金も足りない民間施設の限界を痛感している。

そんな20年間を振り返る記念フォーラムが、7月15日(日)結城市民文化センターアクロスで開催される。午前10時〜午後4時半。
岩井さんの講演やダルク創設者・近藤さんとの対談、回復プログラムの一環で和太鼓に取り組む男子入寮者の演奏や、女性シェルター入寮者のエイサー(琉球太鼓)、元入寮者の経験談、パネルディスカッションなどが行われる。

0296(35)1151/茨城ダルク




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