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2011年6月27日(月)

ただひたすらに やまない情熱

流通経済大学サッカー部 中野雄二監督

就任14年で50人を超えるプロ選手を輩出した流通経済大学サッカー部監督の中野雄二さん(龍ケ崎市在住、48歳)は、学生時代に培った自己流のセンスと実力を糧に、高校の教員、社会人サッカー、J2チーム監督として采配の基礎を固めた。大学では技術や戦術の向上もさることながら人間的な成長を第一に選手を育成。いつかはプロより強いアマチュアチームをつくりたいと、サッカー界のレベルアップを図る。


大学リーグ公式戦のメンバーをコーチと話し合う中野監督(写真左)

関東大学サッカーリーグ公式戦前の6月15日、流経大チームは千葉県に遠征し練習試合で調整。翌日は学内施設のプールでリカバリートレーニング、試合前日は室内練習場で約90分間、ドリブルやゴール前のシュート練習などで軽く汗を流して切り上げた。

約30人からベストメンバーを選び、「体力の維持・向上には毎日の練習が必要。でも技術や戦術は急に落ちることはないので、普段通りのリズムが一番」と中野監督。

東京生まれで6歳まで三軒茶屋で過ごし、父の転勤でサッカーが盛んな茨城県古河市に移住。野球が大好きで長嶋茂雄がヒーローだった小学4年の時、学校別のスポーツ少年団に半ば強制的に入団させられ嫌々サッカーを始めた。

野球にはない楽しさを知るのにさほど時間はかからず、勉強に集中させたかった厳格な父の反対を押し切り古河二中から全国屈指の強豪校・古河一高に進学。1年生の時からレギュラーとして活躍し、全国高校サッカー選手権大会第57回大会と第59回大会で優勝。その栄誉は今も県代表唯一の記録として残る。

さらに法政大学でも早くから頭角を現し、右サイドバックからスピードを生かした攻撃的な選手として総理大臣杯優勝などチームに貢献した。高校と大学時代はキャプテン・監督代行としてチームをまとめ、練習プランや戦術、メンバー選び、選手の能力を引き出す方法などを自己流で実践。「指導者から学べず専門書や指南書などもほとんど読まない。自分なりに考え行動した結果が形になり自信になった」と振り返る。

選手としては大学時代に完全燃焼したが、サッカーと長く関わりたくて水戸短大付属高校の社会科教員になり、約5年半サッカー部を率いた。それでもなにか物足りなく感じ28歳で教員を辞め社会人チームで監督を7年半、J2水戸ホーリーホック初代監督を1年務めた。

そんな中でも野心は捨てられず「プロのJ1や日本代表チーム、海外チームの監督になりたい」といつも上を目指していた。その手腕に目を付けた流経大学長に誘われたのが98年。気心の知れたコーチ陣とサッカー部を切り盛りしながらサッカーが縁で再び教育の場に復帰し、「監督も教員も人を育てるのが仕事。選手、学生のために尽くそう」と力がみなぎった。

しかし、就任当初はサッカー部と呼ぶには程遠い状態。部員は髪を金色に染め、タバコを吸い改造車を乗り回すなど練習どころではなかった。たまりかねて思わず手を上げたり、選手が捨てたタバコをひたすら拾って歩く日々に、「監督がそこまでするなら」と上級生が練習に参加。次第にほかの部員も練習に来るようになり少しずつ信頼関係が生まれた。


大きな声で的確に指示を出す(流経大室内練習場で)

そして2003年、プロを目指して共に歩んだ選手が初めてJ1チームに入団し、後輩たちのやる気を奮い立たせた。その後続々とプロに羽ばたいたが、全体から見ればそれもほんの一握り。多くは社会人として別の道を歩む。「大事なのは人として成長すること。それができるのが大学時代です。チームに貢献したければ他人を思いやる気持ちが大切だ」と指導し、その気持ちを養うため福祉施設でボランティア活動をしたり、地域のイベントで子どもたちにサッカーを教えるなど部員の地域参加に力を入れている。

昨年2月までの約12年間は夫婦で選手寮に住み、時に親として、良き兄貴としてサッカーや恋愛、人生の悩みなどを聞いてきた。「妻からは人を切り捨てたりできない優しさがプロの世界には向かないと言われます。サッカーも人も好きなので毎日が楽しい。夢はプロを相手に引けを取らないチームをつくること」。関東大学リーグと総理大臣杯、大学選手権の大学全タイトル制覇と天皇杯優勝が目標。

 

 

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