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2011年6月13日(月)

壁の向こうに山頂がある

山岳ガイドを目指す 青木達哉さん

2006年、エベレスト以上に登頂が難しいといわれるカラコルム山脈の「K2」に挑み世界最年少で登頂を果たした青木達哉さん(26歳、守谷市)は、クライミングジムで働きながら今も国内外の山に果敢に挑戦。登山客と一緒に山の魅力を分かち合えるような山岳ガイドを目指しながら、好きなことをひたむきに続けることで開ける「自分らしい山の頂」にゆっくりと歩を進めている。


職場のクライミングジムで

祖父はインドネシア人というクオーター。アメリカ生まれで2歳から守谷に住み、近所の林に毎年欠かさずカブトムシ採りに行くほど自然が大好きで、ナショナルジオグラフィック英語版の壮大で美しい世界各地の写真を夢中で眺めていた。

大学で山岳部に入部し、1カ月後の連休には北アルプスの前穂高岳に挑戦した。残雪の山道を踏みしめてたどり着いた山頂から360度のパノラマを見渡した時、言葉では言い表せないほどの感動が押し寄せ「胸がいっぱい。叫びたいくらい気持ちよかった」。たちまち山の魅力に取り付かれ、ランニングや20キロ〜45キロの荷物を背負って登る歩荷(ぼっか)トレーニング、筋トレにもがぜん力が入った。

冬の富士山で雪洞を掘ってビバーク(野営)し一晩過ごす耐寒訓練の時は、マイナス10度の中で就寝中に想定外の大雨に見舞われ、身を切るような冷たい雪解け水の浸入で午前3時に下山するアクシデントも経験した。初の海外遠征は中国・新疆ウイグル自治区のパミール高原。国内にはない6000メートル級の山々への挑戦も魅力だったが、地元の少数民族とのふれあいで「世界にはいろんな人々がそれぞれの生き方をしている」と世界観も広がった。

そうした積み重ねの先にあったのが、4年生時の「創部50周年記念登山」。OBを中心に結成された東海大学山岳部登山隊に現役大学生からただ一人選ばれ、これまで幾多の遭難者を出したK2に挑むことになった。

就職活動真っただ中の周囲を横目に、「隊の一員として役に立とう」と黙々とトレーニングに励み目の前の目標に集中した。

現地入りしてからはベースキャンプから徐々に拠点を移し高地に体を慣れさせていったが、約50日間の長丁場の疲労や8000メートルを超す山への高度順化に適応できずリタイヤする人が続出。直径1メートルはあろうかという落石に注意しながら、ごつごつした岩やわずかな足場に神経を集中。途中、目の前の岩壁からふと振り返れば美しいヒマラヤ山脈の景色が広がり、「地球の表面にしがみついて真剣に遊んでいる自分」がおかしかった。

不思議なことにK2の頂まであと1、2メートルくらいが最もわくわくし、達成感と同時に長年の目標が終わるさびしさを感じた。11人中頂上にアタックできたのはわずか二人。高山病と疲労で思考能力が落ちたのか、われに返ったときは山頂で1時間近くぼんやりしていた。


ミドルネームから愛称は「ティミー」。昨年5月、アラスカのマッキンリーで

山は登ったら無事に下りなければならない―。キャンプに引き返す時刻はとうに過ぎ、日が傾いて酸素ボンベは残りわずか。酸欠で意識が遠のく中「眠りながら歩く」という極限状態で下山したが、澄み切った夜空の星がとても大きかったことや一晩ビバークして浴びた朝日の暖かさは生涯忘れられないものになった。キャンプに戻り無線で無事を告げた時、生きて帰るという達成感と厳しい訓練が思い出された。

帰国後は多くのメディアに取り上げられ、「史上最年少」という言葉が独り歩き。「本当に山を知っている者からすればそれほどのことじゃない」と思い、インタビューでは「運が良かった」と繰り返した。

卒業後、OBの紹介で就職したが正社員の仕事と週末を山で過ごすことの両立は体力的にきつく、半年で挫折した。それでも山同様、人生にもいろいろルートがあり、「自分らしく」生きられる道を進むうちに道は開けてくるはず―と、現在はクライミングジムで働きながら天候や地形の変化で毎回違う表情を見せる国内外の山に登る日々。真剣に山と遊んだ自分だけが伝えられる感動を分かち合おうと、マイペースで自分だけの頂を目指している。

 


 

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