独自に考案した体幹運動を提唱するつくば市の福田史子さん(56)は、幅広い年代の人たちにシェイプアップや健康維持、老化防止運動を指導。30代で出合ったエアロビクスで体を動かす喜びを知り、スポーツ医学や運動生理学、指導経験を土台に体幹エクササイズを生み出した。健康で丈夫な体をつくる運動法で、多くの高齢者の「生き生き」を支える。

運動をライフワークにしている今と違って、子供のころは学校の体育の授業でしかスポーツの経験がなかった。外で遊ぶより読書や手芸に熱中し、高校時代は受験勉強に明け暮れ運動とは無縁の生活。太りやすい体質と運動不足で今より10キロ重い「ポッチャリ体型」だった。
東京で生まれ育ち、慶應義塾大学文学部を卒業後、茨城県立高校の国語科教員に。その後、結婚・出産で教師をやめ主婦業に専念。妊娠中や母乳育児のころは多少太っていても栄養と体力維持のためと気にもしなかったが、30歳で長女を出産すると産後太りで体重と脂肪が増え、二の腕やウエスト、腰回りを見て「このままだと大変なことになりそう」と危機感を抱いた。
運動に目覚めたのは長女が3歳の時。通わせていた幼児教室の隣にエアロビクス教室があり、8ビートの音楽に乗って踊る女性たちの動きが新鮮で、はつらつと楽しそうな表情に引き込まれた。エアロビクスは80年代初頭に日本に上陸し、当時はさほど浸透していなかったが「音楽に合わせて動く楽しさに魅了された」。週1回のペースで汗を流し、約1カ月で体が軽くなり引き締まったのを実感。やせた喜びはもちろん、それ以上に短時間でシェイプアップ効果があり努力すれば確実に体に効くというシンプルさにひかれた。エアロビクスはシェイプアップや健康づくりのため科学的に考えられた運動。体の変化に喜びと達成感を感じながらメキメキ上達し、AFAA(アメリカ・エアロビクス・フィットネス協会)認定インストラクター、文部科学大臣認定エアロビック教師資格などを取得して指導者となり、草創期の日本エアロビック連盟で資格教本製作にも携わった。そして、「もっと深く運動や身体のしくみについて知りたい」と1日9時間の猛勉強に励み、38歳で筑波大学大学院体育研究科に入学。指導教官や研究室の仲間から謙虚に生きることや人との和を大切にして思いやることなどを学び、講義や実技の正しい運動指導法を基礎から身に付けた。

大学院在学中に運動教室で高齢者を指導した経験やスポーツ医学、運動生理学、体力トレーニング論をベースに「体幹運動」を考案。「深層筋を意識しながら肩・腹・骨盤・股関節等、体幹を滑らかに鍛えていくのが体幹運動。講座や教室などで微調整を重ねて作り上げた独自の運動です」。高齢者がけがをしないように安全に効果的に筋肉を活用し、運動が苦手で体力に自信がない人も無理なく続けられ少ない努力で大きなシェイプアップ効果が望める。
日本体力医学会認定の健康科学アドバイザーの資格も所持し、茨城県やつくば市などの健康づくりやスポーツ振興の審議会委員なども歴任。行政企画の介護予防や健康教室、スポーツ教室、運動指導員養成講座、姿勢づくり、ウオーキングなど幅広く指導。その一方で大学や専門学校の非常勤講師も務め、主婦業とのバランスを取りながら各地を走り回る日々。普段の食事に特に気を配ることなく体型を保ち、20代の娘と洋服を交換して楽しんでいる。その明るい人柄も人気で、地元で10年以上継続している高齢者対象の運動教室では「体に負担が掛からないように楽しく教えてくれるので運動が習慣になりました」「衰えていた体力年齢が20歳若返り動きが楽になった」など喜びの声が多く寄せられる。
「大好きなエアロビクスと体幹運動を通して多くの人と出会い励まされています。知識と経験、真心を込めて体を動かすことの楽しさ、素晴らしさを広めていきたい」