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2010年3月1日(月)

だれもが自分らしく生きる場を

NPO法人自然生(じねんじょ)クラブ 〜 施設長 柳瀬敬さん

つくば市を拠点に活動するNPO法人自然生クラブが、国際交流基金(東京都)の2009年度「地球市民賞」を受賞した。おりしも設立20周年の節目に授与された賞は、同クラブ施設長の柳瀬敬さん(51)にとって喜びもひとしお。教師を辞めて、知的障害者と共に暮らしながら有機農業と芸術活動を柱に走り続けて20年。手探りの中で見つけた「だれもが自分らしく生きる場所」には別の時間が流れる。


筑波山のふもとにある畑で作業するメンバーと柳瀬さん(後列中央)

「知的障害を持つ人には独自の時間の流れがあって、それが私自身とても心地良い。農業の時間と似ています。自然とともにある、本来の人間の時間なのかもしれません」

筑波山の中腹に建つケアホーム「森の家」には8人の知的障害者が共に暮らし、通所者が6人。そこに農作業やアート支援のスタッフ9人が加わるにぎやかな所帯。筑波山のふもとや近隣に借りた田んぼ、畑で米と有機野菜を育て、収穫物は市内外の契約者約100軒に直接配達している。

「これくらいがちょうどいい。これ以上増やすと生産性を上げようと作業にも人手にも無理が出る。それだと意味がない。」

20年前、農業はまったくの素人。故郷、愛媛県で両親とも教師の家庭に育ち、筑波大学で教育哲学を学んだ。卒業後教師になり群馬県の全寮制私立学校「白根開善学校」に赴任。7年半にわたり自由教育を実践した後、再びつくばへ。「地域とかかわり、社会を変えていく実践の在り方を探りたかった」

とはいえ答えはそう簡単に見つからない。いったん母校の筑波大学に研究生として籍を置き、自分が目指す実践の場を探すこと約1年。「だれもが人間らしく生きる場」としてたどり着いたのが農業だった。1990年、知的障害者と共同生活をしながら有機農業を営み、表現活動として太鼓や絵画などのアートを実践する自然生クラブを設立。地元の人に手ほどきを受けて野菜を育て、軽トラの荷台に野菜を積みつくば市街に出かけ太鼓をたたきながら販売した。しかし、手塩にかけて育てても形の悪い野菜はおよそスーパーのそれには及ばない。売り上げより残った野菜を見るのが辛く軽トラ販売は2年ほどでやめた。「鍛えられました。消費者がつくる市場(しじょう)というものを肌で感じました。」

市場を知って逆に脱市場に燃えた。作ったものを売るだけでは市場の壁はこえられない。作り手と買い手の関係を、互いに与え合う仕組みに変えたいと契約者とコミュニティー農園を共有するシステムを構築。そこから自然と共存する必然性も見え始めた。堆肥作りやひまわり油絞り、炭焼きなどの環境活動も持続可能なコミュニティー農園のためだ。一方で、メンバーの表現活動の要、和太鼓の演奏も次第に形を整えた。「初めは即興演奏でしたが、海外公演で刺激を受け、自分達の生活の中から生まれた創作田楽舞が形になってきました」 


2007年のアイルランド公演の様子

海外公演は1996年から始まった。ヨーロッパで盛んな知的障害者のアートフェスティバルに招かれ最初に行ったのがリトアニア。翌年からデンマーク、イギリス、ベルギー、香港、アイルランドなどで演奏。自然生クラブの和太鼓演奏はどの国でも絶賛された。

逆に海外の障害者の豊かな創造性に驚かされ「日本はともすれば障害者を健常者に近づけることで社会適応を図ろうとする。そうじゃなくて障害者のもっている創造性や才能に注目し、それを啓発していくことが大事」そう強く教えてくれたのが、3月14日につくば(市民ホールつくばね)で共演するベルギーの「クレアム」だった。

30年のキャリアがあるクレアムは一流の俳優やミュージシャンが知的障害者と共に活動し、彼らの才能を引き出しながら舞台をつくっていく。そのクレアムとの共演を自然生クラブ設立20周年の節目に実現する。ちょうど前祝いとでもいうように国際交流基金から「地球市民賞」を贈られた。「国や人種に関係なく心を通わせられる自然生メンバーの活動が評価され、本当にうれしい」。願わくば自然生クラブのような実践を担う人材が育つ自由大学が創れたらと夢は大きい。お金の価値ではなく、お金以上の幸せを分かち合う自然生クラブで、わが子3人も育っている。

 

 

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