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2009年 1月26日(月)

滝夜叉姫伝説を筑波山観光に

滝夜叉姫伝説を筑波山観光に 〜 滝夜叉姫伝説を盛り上げるメンバーたち


平安時代の豪族・平将門の娘・滝夜叉姫(たきやしゃひめ)の伝説が伝わる筑波山で昨年暮れ、ガマの背にまたがり妖術を使って貧民を救済した伝説の義賊・自雷也(じらいや)像が筑波山観光ガマ園から大鳥居下に移設された。「滝夜叉姫=自雷也」ともいわれる筑波山の伝承文化を掘り起こし、新たな観光のうねりを起こそうと地域住民らが動き始めた。


「まだまだ始まったばかり。これからですよ」と鈴木さん(右から3番目)

TX開通から3年半。週末には首都圏から大勢の観光客が押し寄せ、地元の旅館組合若手メンバーが開発した新しい土産や、山腹の各家庭で作られる福来ミカンのトウガラシは好調な売れ行き。だが、自雷也像を移設した鈴木博夫さん(84)は現在の筑波山観光に違和感を抱く。

「多くの客は山で弁当を食べ、お土産は帰りに駅で買って半日で帰るという具合」。人は増えても地域は潤わないという現実に胸を痛めていた鈴木さんは、筑波山梅林裏手のガマ園に放置された自雷也像を思い出した。

筑波山観光ガマ園は1981年(昭和56)にオープン。4年後に控えたつくば科学万博で集客を期待したが客足は伸び悩み、過剰投資による初期投資を解消できないまま07年3月、筑波山梅林祭り終了に合わせ閉園。さびれた園内には自雷也像だけがぽつんと残されていた。

日ごろ、鈴木さんと筑波山観光について話し合っていた中鉢直明さんも、この自雷也伝説を調べていた。その中で江戸時代の戯作者・山東京伝(さんとうきょうでん)の読本「善知安方忠義伝(うとうやすかたちゅうぎでん)」を脚色した歌舞伎『忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)』に滝夜叉姫が一族郎党を滅ぼそうとする都の軍勢から逃れ蝦蟇(がま)の妖術を使って父の敵を討つという筋があった。そして筑波山には滝夜叉姫が民衆によって筑波山中のオンマイワヤという洞窟にかくまわれ、修験者・石念(せきねん)から蝦蟇の妖術を授かったという話が伝わっている。

「これを観光に生かさない手はない」と二人の思いは重なり、鈴木さんは筑波山ガマ口上保存会会長の水谷七郎さんと副会長の青木利夫さん、筑波山神社氏子総代会会長の廣瀬武美さんらに相談し「それは名案」と賛同を得た。一方、アートプロジェクト「ガマ娘の油売り」の主催者でつくばトラベルサポーターの脚本家・冠木新市さんは「筑波山では自雷也=滝夜叉姫」との話を聞いたことから、伝承文化の復活に深い関心を寄せている。

◇     ◇     ◇


東福寺郊外に残る滝夜叉姫の墓

昨年暮れ、自雷也像は滝夜叉姫伝説を地域に広げる運動の手始めとして大鳥居下の広場に移設。山麓を流れる男女ノ川のほとりで眺望も美しい。像の手前には地元で造園業を営む塚田勇さんの協力で男女ノ川の滴りが幻想的な音を醸しだす水琴窟も造られた。像の周辺は明治10年ごろ廃寺になった来迎寺の境内だったといわれ、名もなき僧侶の墓や畑の中にひっそりと弥勒菩薩像が建っている。

また、筑波山から遠く離れたつくば市松塚の東福寺には、戦いに敗れた滝夜叉姫が仏門に入り如蔵尼(にょぞうに)として修行したとの言い伝えもあり、郊外には住職によって毎年塔婆が建てられている墓や、寺の入口には重厚な石造りの上蓋もある。さらに同市平沢の山中にある佐都ケ岩屋古墳(7世紀)は滝夜叉姫が追手から隠れた場所とされている。「そうした各地の滝夜叉姫の物語を整理して観光ルートを作れたら」と夢を膨らませる関係者。

「筑波山観光はTXで来て『すぐカエル』なんてやゆされるけど、筑波山のは四六の蝦蟇(ガマ)ですよ」と鈴木さん。「この不安定な時代にガマのようにしっかりと地に足をつけ、ガマ=ヒキガエル=『何かを引く』という語呂で、筑波山で運を引き寄せてもらいたいですね」。  民衆のために中央政府に反乱を起こした英雄・平将門。その娘の滝夜叉姫を命懸けでかくまった筑波山の民。その物語を一つ一つつなぎ合わせて「懐の深い歴史の山・筑波山」の埋もれた伝承文化を掘り起こし、観光に生かしていきたい。「古くて新しい観光」活動は、まだまだ始まったばかり―。

 

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