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[2006.09.04 up]
 

障害者の暮らしは一つの文化

つくばバリアフリー学習会 「知ることから始めよう」と各種イベント開催

障害者の日常に視線を向けることで、障害を知るというより「多様な文化があることに気付いてもらえたら」と活動する「つくばバリアフリー学習会」(北村まさみ代表)が昨年3月発足。さまざまな研修会や体験会を通して、障害があってもスポーツや遊びを楽しみ、不自由な生活を快適にする工夫や技術が進んでいる「異文化」を多くの人に知ってもらうのが同会の狙い。今年11月にはそのスポーツ・遊びに焦点を当てたイベントをつくばで開催する。


視覚障害者で11月に講演する小林幸一郎さん(右)指導のロッククライミング体験会(8月29日、つくばで)

「つくばバリアフリー学習会」は、その名の通り学習がメイン。障害を入り口に、知らないことや普段気付かないことに接して新しい文化を知ることが年齢や性別、国籍などに左右されない誰にでも暮らしやすいまちづくりの1歩と、さまざまな分野にネットワークを広げ学習する。

「健常者でもいつ何時事故や病気で障害を負うか分かりません。会員の中には、将来車いすになったときのために勉強したいという人もいます」と言う北村さんは、地元つくばで手話サークルに所属。筑波技術大学の手話サークル講師として学生や同大学保健科学部の佐々木健助教授とかかわる中、昨年3月、ポケットバリアフリー研修会を機に学習会を発足した。

現在、会員は老若男女12人。発足2カ月後の5月に「盲ろう疑似体験」を実施し、7月には京成ホテル企画部・秋元昭臣さん(当時)の講演会「リウマチ患者と取り組んだホテル改修事例〜これまで見過ごされてきた障害」を開催。8月には「日本福祉のまちづくり学会第8回全国大会」(千葉)でポケットバリアフリー研修会の事例を報告し、9月には産業技術総合研究所・知能システム研究部門タスク・インテリジェンス研究グループ主任研究員の小野栄一さんによる講演「必要は発明の母、では父は?福祉で学んだこと」を開催するなど、精力的に活動。今年2月にも障害者クライミング選手権視覚障害者男性の部で優勝した小林幸一郎さん夫妻を迎えた講演とクライミング体験会を開き、9月以降もイベントが目白押し。

そもそも北村さんが障害者とかかわるようになったのは、大阪にいたころカヌーを始めたのがきっかけ。たまたまそこで障害者カヌーのボランティアを募集していたことから応募。「障害のあるなしに関係なくスポーツを楽しめることが新鮮に感じられた」という。

障害に応じて道具を作り工夫をすれば、誰でも遊びやスポーツを楽しめる―。それは、体のサイズに合わせて洋服や靴を作るのと同じことではないのか。そう思い始めると障害の有無よりも自分が知らなかった分野への興味がどんどん広がり、知れば知るほど「障害者が暮らしにくい障害を健常者が無意識に作っている」ことに気が付いた。

 「障害者ならではの道具や暮らし方を裏返して見れば、逆に健常者の日常がまた違って見えてきます」

そんな北村さんの経験と発見を、より多くの人に共有してほしいと訴える佐々木助教授は「例えばフロアーバレーという視覚障害者のバレーボールがあります。以前は盲人バレーと呼ばれ目が見える人には縁のないスポーツと思われていましたが、今は逆にニュースポーツと考えることができます。つまり、互いを知れば発見や面白さも広がるわけです」と言う。


「いろいろな人と出会えることは自分のためでもあります」と北村さん(左)と佐々木助教授

つくばバリアフリー学習会の活動も、市民レベルの身近で温かみのある、いわゆる普段着感覚のインフォーマルな活動として重視。それが、行政などによるフォーマルな活動との両輪で動くことが大切で、どちらか一方だけでは福祉の充実は図れない。同学習会では、そのインフォーマルな活動を大々的に広げようと、11月、カスミつくばセンターでイベントを企画。北村さんが得意とする「スポーツと遊び」をテーマに、ユニバーサルデザインのヨット「アクセスディンギー」を会場に展示し試乗してもらったり、クライミング体験ボードやラジコンカーレースなど各種スポーツの体験、最新トライク(三輪バイク)や目の不自由な人用のまな板、しゃもじなど生活グッズも展示する。さらに視覚障害者のクライマー、小林幸一郎さんの講演会や車いすダンスなど盛りだくさんだが、目的は「異文化を知ってもらうこと」。1つのコミュニティーにいろいろな人が集まれば暮らし方もさまざま。

障害者の暮らしと環境もその1つ。「みんなで楽しみましょう」と北村さんと佐々木助教授。なお、実施にあたり同会では障害者の介助などを行うサポーターを募集している。

イベントの問い合わせ
029(837)0010/北村さん

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